太田市の芸術学校で指導や指揮を行っていた職員が不当処分を受けたのは2023年9月。職員が24年9月に提訴した不当処分取り消し裁判は、4月24日(金)に第10回公判(ウェブ)が行われました。第11回公判(ウェブ)は6月26日(金)とされます。
職員は兼業報酬の受け取りやヴァイオリン売却、パワハラ、セクハラ、勤務時間不足などを理由に23年9月に参事から課長に1階級降格となり、翌10月から12月まで3カ月間の停職(無給)処分に。停職が解けた後は芸術学校とは無関係の部署に異動させられました。その後の市公平委員会ではヴァイオリン売却、セクハラについては非違性なしと裁決されたものの、降格されたまま26年4月には定年延長により管理職ではなくなり部署は今もそのままです。
今回も裁判を支えるスタッフや応援するみなさんの声、寄せられたコメント(要旨)の一部を紹介します。
第1 はじめに
第10回公判では、今回の事件の本質は不当処分された職員個人の問題ではなく、その職員を教職員から市職員として招き入れた際の制度運用に問題があると指摘しました。
市の条例に違反するというなら、それを長年にわたって黙認するとともに、芸術学校が組織的にその状態に関与、維持してきたのはなぜなのか、また、その維持に関与し承認してきた歴代の他の職員を一切処分しない異常さが今回の事件には存在していると、はじめに指摘しました。
第2 兼業報酬の受領
1 不当処分された職員について
①入職の経緯
〇2000(平成12)年、県職員である教諭として勤務していましたが、前市長(当時)からの要請を受けて入職。
入職に際しては、通常の地方公務員採用試験などは行われませんでした。
②市が定める規則では、職名は課長でなく主幹(処分時)
〇「市職員の職名及び職務に関する規則」によれば、「課長」と「主幹」の職務・職責は明確に分かれています。
〇芸術学校では、文化スポーツ部の文化芸術担当副部長の下に芸術学校担当が配置されています。
〇芸術学校には当時、管理係と指導係の2係が置かれていました。
〇管理係には管理係長とその上席に「T事務課長」が存在していました。
〇指導係には「主幹(課長職)」として、指導係長を兼務する「主幹課長(不当処分された職員)」が任命されていました。
③芸術学校の二人の課長職務(事務分掌)
〇主幹(当時)(不当処分された職員)の職務は芸術学校における指導係として、実施計画を樹立・遂行することでした。
〇もう一人のT事務課長の職務は市役所の通常の課長職であり、副部長等の指揮を受け、所管事務で副部長を補佐し、課の業務計画の樹立、決定、係長に実務を命令し、指揮、監督をすることでした。
④前市長から「芸術監督」を任ぜられ、音楽指導に特化して従事
〇不当処分された職員は完全な音楽指導専門職として就業していました。
〇係長代理の時から、音楽指導で内外的に働きやすいよう配慮されていました。
⑤芸術監督の立場で前市長から受けていた多くの特命事項
〇他市との青少年文化交流演奏会
〇ぐんまアマチュアオーケストラサマーフェスティバル
〇太田市立太田高等学校吹奏楽部指導(市立太田商業高校の時から)
〇ふれあい音楽鑑賞会
〇山本禮子バレエ団との共演
〇おおたアカデミーオーケストラ定期演奏会
〇太田市内の青少年によるピアノ協奏曲演奏会等
⑥芸術学校での勤務期間と職務内容
〇不当処分された職員は入職後、約23年間にわたって、芸術学校において音楽教育及び芸術文化振興に関する業務に従事してきました。
〇主な業務としては、音楽指導(器楽・合唱・合奏)、オーケストラの指揮、演奏会・公演の企画及び運営、生徒指導、学校関連行事の企画・実施でした。
〇特に、毎週土曜日に行うオーケストラ「ジュネス」の指導は必須業務であったため、週休日は任意の平日に取得するよう指示を受けていました。
⑦勤務形態
〇上記の業務のうち、音楽指導、リハーサル、演奏会準備等の業務は夜間に及ぶことが多く、一般的な事務職員とは大きく異なる勤務時間にならざるを得ず、かつ、不規則なものでした。
〇この点では、前市長からはフレックスのような形で柔軟に勤務し、平均して一日8時間勤務となるよう適宜調整するよう指示を受けていました。
〇芸術学校の他の職員も不当処分された職員と同様、勤務時間に特殊性があったため、そのような実情を踏まえ、芸術学校全体で勤務開始時間等の調整をしていました。
〇勤務開始時間や休憩時間は業務内容に応じて柔軟に調整されていました。
〇勤務時間は一日を午前・午後・夜間の3つに分けるコマを単位として管理をする方法が採用されていました。
⑧芸術文化普及活動
〇不当処分された職員は、芸術学校の活動及び地域の音楽文化普及を目的として、ローカルラジオ放送局であるエフエム太郎で週1回30分のレギュラー番組「Y(不当処分された職員)の音楽と遊ぼう」に出演していました。
⑨指揮者・音楽指導者としての研修及び指導受講
〇不当処分された職員は指揮者及び音楽指導の研修として、企画部長からの推奨と許可を受けた上で、年に数回、市嘱託員として委嘱されていた飯守泰次郎氏から音楽指導を受けていました。
〇飯守泰次郎氏は、新国立劇場オペラ芸術監督、東京シティフィル桂冠名誉指揮者、関西フィル桂冠名誉指揮者、文化功労者、紫綬褒章、旭日小綬章、日本芸術院会員といった経歴を持つ著名な指揮者であり音楽指導者でした。
⑩一般行政業務は免除されていた
〇上記のとおり、不当処分された職員の職務は芸術教育及び文化振興を目的とするため、市役所の一般的な職員が従事している市議会対応、選挙事務、災害調査、各種行事への動員に加え、これに関連する職員研修といった行政業務を免除されていました。
⑪まとめ
2 兼業報酬受領には前市長や人事課が関与
〇不当処分された職員は市の給与以外に報酬を受けていたため、確定申告を行うことを要していました。〇〇そのため、人事課が確定申告の指導を行い、不当処分された職員は申告書面を作成していました。
〇おおたアカデミーオーケストラの指揮・指導で報酬を得ていましたが、その活動は、前市長の特命による「ふれあい音楽鑑賞会」、「山本禮子バレエ団との共演」、「おおたアカデミーオーケストラ定期演奏会」が中心でした。
〇全ての演奏会は、前市長に報告・相談し、予算(出演料)、演目や構成、ポスターの図案など前市長の指示を受けながら行ったものです。
〇そもそも、おおたアカデミーオーケストラは前市長の指示で創立された団体です。
〇そのため、おおたアカデミーオーケストラの活動は、前市長の許可が出ないものは実施できませんでした。
〇このように、芸術学校は前市長が校長として創立した時から、その活動について前市長に相談し指示を受けて運営していました。
〇芸術学校の校長に市役所 OB や職員が就くようになっても実質の「校長」は前市長でした。
〇以上のとおり、市は不当処分された職員の報酬受領を前提にした対応を長期間にわたって行っていました。
3 「報酬受領を許容されていたと信頼していた」は保護されなければならない
〇長年にわたり前市長、人事課、同課課長が関与しながらも、不当処分された職員の取扱いを是正してきませんでした。
〇以上から不当処分された職員は、報酬受領の適法性を信頼したことは正当であり、これは法的に保護されなければなりません。
4 委託契約の構造
〇市からの依頼演奏をおおたアカデミーオーケストラで受注することは、不当処分された職員が必ず指揮者として出演することが確定していました。
〇市は選定過程において、複数の指揮者から矢野氏を選定したことはなく、また、複数のオーケストラからおおたアカデミーオーケストラを選定したこともなく、これらは機械的に決まっていたものです。
〇報酬水準は市場価格よりも低廉に抑えられていました。
〇外部の指揮者に委託するよりも市財政に対する負担は軽減されていました。
〇決裁にあたっては多くの職員が、複数の形で関与していました。
〇指揮者の選定過程に不当処分された職員の恣意性が入る余地はありませんでした。
〇Y氏(不当処分された職員)への利益誘導ではなく市財政にとっても、おおたアカデミーオーケストラに委託することは軽負担になっていた。
〇上記のことから、不当処分された職員の対応は、自己取引や利益誘導などといわれるものでなく、公平性を欠く取引であったわけでもありません。
5 受領した兼業報酬
〇前市長は、不当処分された職員への報酬をなるべく安くするよう指示していました。
〇業界的にみて最も安価な若手の指揮者に対する報酬よりも安く設定していました。
〇そもそも、当該料金設定の基礎は、前市長(芸術学校校長)及び不当処分された職員の前任である瀬越憲元芸術総監督(同校副校長)との間で取り決められたものが用いられてきました。
〇不当処分された職員は、自身の報酬の決定及び支払について全く関与しておらず、定められた金額を銀行振込によって受領していただけでした。
〇不当処分された職員が指揮者として出演することができなくなって以降、演奏会ごとに外部から指揮者を招聘(しょうへい)しており、その報酬は不当処分された職員のものと比較して2倍以上の額になっているようです。
6 市役所内の構造的問題
①「教諭と変わらない給与」という約束が守られないために
〇今回の事件は不当処分された職員個人の違法ではなく組織運用の問題です。
〇公務員としてというより、不当処分された職員は芸術専門職としての特殊な存在です。
〇現場において児童・生徒に指導を行うとともに、その専門性を活かして演奏活動に従事することを主に業務を行っていました。
〇その地位だけでなく、業務内容についても通常想定される市の公務員としての業務からは外れざるを得ません。
〇市は特殊性に配慮した規程等の条例を制定し、当該人物にふさわしい権限と見合う待遇を用意する必要がありました。
〇しかしながら、市はそういった規定を制定することなく、既存の規程を一部変更するのみにとどまりました。
〇結果として、不当処分された職員はその既存の定めに従わざるを得なくなりました。
〇特に、兼業届、報酬受領許可について、市は申請そのものを受付けなかったため、現場では工夫がされていました。
●芸術学校の管理職らは、不当処分された職員が市への入職時に約束された「教諭と変わらない給与」が守られないことから退職しようとするのを引き止めるとともに、太田市金券や商品券による報酬の支払い、不当処分された職員のための確定申告書類の作成を担当部署で行うなどといったことが行われ、不当処分された職員に報酬を支払う事実が積みあがっていきました。
〇条例等の制定ないし大幅改正は、現場の芸術学校では対処できないものの、現状の規程に沿わない形であれ、不当処分された職員に報酬を支払うことにより目的を達成する方法がとられてきました。
〇これらは前市長にも報告が上がったうえで、その問題点を指摘されることなく、長期間継続されてきました。
〇その仕組みは市の発案であり、不当処分された職員自らの利益誘導やそれを実行したものではありません。
◎前市長が推し進める事業のために招聘(しょうへい)された不当処分された職員が、条件が折り合わずに退職を上申したことにより、前市長は、芸術学校事業が立ち行かなくなることを回避するため、副市長、企画部長、課長クラスの職員たちに検討させて兼業報酬という手法を作り出しました。兼業報酬を受領することになる過程に不当処分された職員の落ち度はありません。
②公務員の兼業許可 総務省 1995年、2020年に報酬受領の許可も含めた基準設置が必要
③太田市は今年4月にやっと兼業基準を設置 不当処分を認めたようなもの
第3 平等原則違反
仮に不当処分された職員が処罰されるものであるならば、芸術学校に所属する者で、かつ演奏や指導を行ってきた者は、報酬額の差こそあれ報酬を受領してきた全員に処分を受けるべき理由があることになります。
第4 パワハラについて
パワハラは処分量定の一番大きなウエイトを占めており、処分の取り消しを求める争いにおいては、どうしても「被害者」として登場する「職員A」の執務における実態を述べざるを得ません。
裁判となる前の公平委員会では、不当処分された職員の意向もあり、職員Aに配慮して執務実態を明らかにすることへの躊躇いがあり主張を控えました。しかし市側は、こちらが求める証拠の提出を拒み続け、典型的なパワハラに当てはめての反論に終始したため、前回の雇用契約違反であるとの主張に続いて、やむなく以下の主張をするものです。
私たちも、けして良い気持ちではありませんが、裁判の争点となり、裁判所において証拠の開示もされていることから、正しい判断をしてもらうために、以下の主張をしました。なお、主張するにあたっては、感情を交えず事実のみを列記することに留めました。
1 優越的関係
不当処分された職員が芸術学校担当主幹として上位の立場にあり、職員 A が下位の立場にあって、不当処分された職員が役職から職員 A に対して優越的関係にあったことは認めるところです。
2 業務上の必要性及び相当性
① 2022(令和4)年7月2日の言動について
〇2022(令和4)年5月中旬頃、不当処分された職員が職員 A に対し、8月19日から21日までの県外〇〇交流演奏会について、保護者・生徒への通知文を他職員ともよく相談して、事前に配布できるよう準備をし、また事前に確認ができるように準備をしてほしいことを指示しました。
〇同年6月中旬頃、不当処分された職員が通知文の進捗状況を確認したところ、職員 A からは進めている旨の回答がありました。
〇同月下旬頃にも再度確認をしましたが同様の回答でした。
〇同年7月1日にも再度確認したところ、いまだ準備中である旨の回答がありました。
〇同日午後、他の職員の情報によると職員 A は、まったく別の職員(N係長)に通知文を作成させていたことが分かりました。
〇また、学校長の名前に誤記があることを同僚職員に指摘されたにもかかわらず、その訂正をせずに配布しようとしている報告を受けました。
〇不当処分された職員は報告をした職員に対し、誤りがあるまま配布するわけにはいかないので訂正してほしい旨を伝えました。
〇不当処分された職員は職員 A に対して、通知文を確認したい旨を伝えました。
〇これに対し、職員 A は校長名の誤りが訂正されないままの通知文を不当処分された職員に渡しました。
〇不当処分された職員は確認し、学校長の氏名に誤りがあるままでは配布できないことを指摘しました。
〇また、時間的にまだ余裕があることから修正したものを用意するよう指示しました。
〇ところが、職員 A はその指示を拒否しました。
〇不当処分された職員は、練習が終了して生徒が帰るまでに5時間以上あることから、修正の上、配布分を用意することは十分行えると再度伝えました。
〇それにもかかわらず、職員 A は不当処分された職員の指示を拒否しました。
〇不当処分された職員がが理由を問いただすと、「通知文作成を行った職員(N係長)がそのままでよいと言ったから」という、まったく合理性のない理由を答えました。
〇不当処分された職員としては、修正箇所も多くないこと、時間的に十分間に合うことから再度対応するよう指示しました。
② 2022(令和4)年7月6日の言動について
不当処分された職員の「音大を卒業したからといって、誰でもが芸術学校の指導者として採用されるわけではない」、「指導係は、俺が、何ができるかと考えて、育てて行くという意味で考えて、雇ったやつしかいない」との発言理由は以下のとおりです。
〇不当処分された職員は、指導係をまとめる立場上、指導係の音楽等専門職員から欠員が出た場合には、太田市行政管理公社から「Y先生(不当処分された職員)の方で次の方を探してください」と依頼されていました。
〇そのため不当処分された職員が、所属する職員や講師に相談して音大卒業者の中から人選をしました。
〇不当処分された職員が面談を行った後に、前市長の了承を得た上で不当処分された職員が付き添い、市行政管理公社の面接を受けて採用する流れでした。
〇不当処分された職員が芸術学校指導係に属する者の採用に深く関わっていたからこそ、上記発言に至ったものです。
③ その他 2022(令和4)年7月7日の言動について
〇不当処分された職員が、職員 A に対し、業務上の注意事項や心構え等について話をするとともに、職員 A の態度について注意をしています。
〇この発言は、指導係に所属する他の職員から職員 A の態度を何とかしてほしいとの要望があったためです。
〇不当処分された職員としても、芸術学校内の事務室における職員 A の態度が、業務上支障をきたすものであると判断したため、そのような態度を自覚させ、反省を促し改善をさせるために行ったものです。なお不当処分された職員は、2022(令和4)年7月7日は休みでした。
④その他 2022(令和4)年9月12日、9月13日の言動について
⑤ 2022(令和4)年11月7日の言動について
〇職員Aが何度も同じようなミスを繰り返して周囲に迷惑をかけていることが根底にあります。
〇職員 A には、度重なる注意指導を受けても、問題の理解、自覚が得られていない様子であることや、反省する態度も見られなかったことも根底にあります。
〇また外部通報として、職員 A の生徒に対する態度(生徒と SNS でつながってやりとりをすること、タメ口で話すこと)について、市内高等学校の事務局から注意をしてほしいとの要請もありました。
〇これらの態度が業務上好ましくないことも伝える必要がありました。
◎職員 A はこういった問題行動が度重なり、改善もされなかったため、後に職員 A とも話し合った上で、ジュネスの担当から外し、他の一般付属団体の担当に配置換えをしました。
⑥ 2023(令和5)年4月5日の言動について
当時、職員 A は指導係で完全に孤立してしまい、他の職員からは次の苦情が上がっていました。
〇「どうにかならないか」
〇「もうこれ以上働くのは無理なのではないか」
〇「職員 A が何もしてくれない」
〇「仕事中携帯ばかり見ている」
〇「授業準備をしてくれない」
こうした苦情が不当処分された職員に多く寄せられていました。
〇それにもかかわらず、職員 A は「ムカつくムカつく」などと反省する態度がみられず、ベテランの講師を「ババア」と言ったり、下の名前で呼び捨てにしたりと悪態をついたりしていました。
〇不当処分された職員としては、そういった職員 A の態度を何とか改善させたいという強い思いがありました。
〇それ以外にも、職員 A が仕事中にマッチングアプリ(出会い系サイト)をやっていたことを同僚に見つかり不当処分された職員が注意していました。
〇また、県外で芸術学校の子どもの付属団体が市の交流事業としての演奏会をするため宿泊した際にも、夜間に男性職員の部屋に入り込み消灯後も女性職員の部屋に戻らず心配をかけ、同室の職員から苦情が出ていました。
〇このように、職員 A には内外から度重なる苦情があったことから、業務上注意をせざるを得ないことが多数ありました。
〇加えて不当処分された職員は、職員 A が芸術学校の教え子であった中学生の頃からよく知っている間柄でもあったこと、その頃から不当処分された職員の注意指導を甘くとらえている様子があったことから、他の職員に対するものと比較して強い指導にならざるを得ませんでした。
⑦ 注意指導方法
〇不当処分された職員の職員 A への指導は一つの誤りに対して一度しか行っていません。
〇 2022(令和4)年7月2日の指導は、ジュネスの練習と練習の合間に行っているため、市が主張する長時間にわたるものではなく、机を叩く等の威嚇するような行為はしていません。
〇加えて同年7月2日は、唯一、不当処分された職員と職員 A のほかに1名の職員(Y課長補佐)を交えて話し合いを行っただけで大勢の前ではありません。
〇それを除き、職員 A に対する注意指導を行う際には、職員 A 以外の職員がいる前で行うことはありませんでした。
⑧ まとめ
〇職員 Aが所属する指導係全体が、職員 A の言動に振り回され、ほとんどの同僚が疲弊する状態であったのは間違いありません。
〇職員 A には雇用契約上の違反が常態化しており、それを是正するための指導が続いていたのが実態です。
〇職員 A はその指導を受け止めることなく、それどころか不当処分された職員に対して強い反発をしたため、それに合わせて強い口調となる場面もあったことはやむを得ないことです。
〇度重なる注意にもかかわらず、職員A は明らかな間違いや、仕事の姿勢などの指摘や指導に理解を示すことはなく、怒られて不愉快であるという態度だけを続けていました。
〇不当処分された職員としては、やむなく相対的に強く注意指導せざるを得なくなったものであって、業務上の必要性も相当性もあるものといえます。
〇また市から提出された録音データは、不当処分された職員が職員 A から呼ばれて2人で会話をすることになった中で不当処分された職員の記憶に照らせば、職員 A に対する重要な説明や指導があえて欠落したものとなっています。
〇そのため、職員 A との会話の全体を明らかにするため、編集前の録音データを求めています。
〇職員 A に対する不当処分された職員の言動がパワハラに当たるのであれば、初期の段階から職員 A がしかるべき窓口に相談しているはずです。
〇しかし不当処分された職員は、市処分審査委員会にかけられる手続きの始まる前には、市からそのことについて注意指導を受けたことは一度もありません。
〇この点にかかる情報提供の経過、処分理由に列挙される経過に疑義がないとはいえません。
第5 勤務時間の不足について
1 不当処分された職員の当日の勤務は変則的なもの
〇不当処分された職員の該当日の勤務ですが、勤務の定まり方は規定で決まってはいましたが、該当日の勤務は変則的なものであり、午前10時から午後9時30分まででした。
〇変則勤務は芸術学校の職務内容として必然的に起こりうることです。
〇当日は、午前中から午後5時頃まで芸術学校太田校で勤務してから新田校に移動する流れでした。
〇移動する途中で給油、洗車のためガソリンスタンドに寄ったものです。
〇新田校に移動後は、混声合唱団の補講を午後7時から午後9時まで行ない、他の職員とともに練習場の後片付けをして退勤しました。
〇昼休憩とガソリン給油等の時間を除いても9 時間以上の実働時間があるため、勤務時間の不足はあり得ません。
2 芸術学校の太田校から新田校への移動 職員、講師全員が業務の中で
〇芸術学校の太田校から新田校への移動は、不当処分された職員に限らず職員、講師全員が業務の流れの中で行っていました。
〇当時、芸術学校で使用可能な公用車は2台しかなく、太田校から新田校への移動に全員が公用車を利用することは、人数、職務内容、時間の関係で困難でした。
〇公用車は、主に管理係の職員が移動用に使用していたため、その他の者は自家用車で移動していました。不当処分された職員もそのひとりでした。
〇そのため、その移動の間に不足しているガソリンの給油を行うのは当然のことです。
〇また盗撮された日には、不当処分された職員の自家用車のフロントガラスに簡単には拭き取れない鳥の糞が付着しており、視界を遮るため、そのまま運転するには支障があったことから、やむなく洗車したものです。
〇単に美観を保つためでなく、安全運転をするために必要性があったものです。
3 盗撮者は不当処分された職員の勤務実態を把握していた
〇なお「勤務時間不足」の証拠写真を撮影した職員として推測される者は、芸術学校新田校の当番だったため、不当処分された職員の変則的な勤務実態を把握していました。
〇それにもかかわらず、その上司(M部長)からの指示があったかは不明ですが、今回の問題は不当処分された職員を尾行するようにして盗撮したことにあります。
【総括】
前回の第9回公判報告で、「この訴訟は太田市長を被告として争っていますが、私たちが思うことは太田市も被害者であり、時の市長も被害者だ」と紹介しましたが、それに対して賛成の意見が、関係者や職員たちからも多く寄せられました。
また、誤解のないよう述べますが、市で働く大半の職員は真面目であり、深刻な職員不足の中を全力で職務に邁進しています。本当に頭が下がる思いです。ここに登場する職員は、ごくまれであり、異例な存在ですのでご理解ください。
裁判では、その行動に至った動機などの解明と主張がとても重要となるため、裁判の進行に合わせながら、これからも多くのことを明らかにしてまいります。
何度もくり返しますが、この冤罪事件は「誰か」が意図的に不当処分された職員の「特殊な働き方」を逆手に取って「罪」にすり替え、そして多くの職員を巻き込み、勝手に作り上げたストーリーで暴走したものです。
多くの職員と組織を巻き込んでの暴走を可能にしたのは、部長や副部長という職員の頂点に立ち、部下の人事権を掌握していた者が旗振りをしたからです。
時の文化スポーツ部長や副部長が職権を乱用して作った捏造証拠とストーリーで前市長を落とし、部長仲間である企画部長に頼んで人事へ命令直下。これで処分までの道筋は整います。この流れに伝達はあっても正義は存在していません。
Ⅰ副部長の暴走を引き継いだM部長の、これも尋常ではない暴走も見逃すことはできません。不当処分された職員に対して「これは刑事事件だ」と決めつけ、大人の付属三団体を集めた説明会場で、あなた方は「不正の温床だ」、だから芸術学校から切り離すと言い放ったのです。M部長がその説明会の中で「部の中で一番偉いのは部長の私です」と自己紹介したのにも驚きましたが、彼を知る人たちは「彼の性格を良く現わしている」と口を揃えて言います。
M部長が作成したバイオリン売却の調書は、処分審査委員会や公平委員会では通せたのでしょうが、さすがに裁判では使えぬ代物です。ほとんど全文が独断と偏見の塊であり、あからさまな証言誘導も伺え、誤字脱字も含めて公用文としては失格です。
そして市公平委員会ではバイオリン売却に、「非違性は認められない」と判定されています。そうなると、残るは大勢の前で犯罪者扱いした名誉棄損となります。
この事件では、M部長とⅠ副部長(後の他の部長)の暴走の影響が一番大きく、市の信用を大きく棄損し市民の貴重な芸術文化の財産を根こそぎ破壊してしまいました。それこそ、何を信じて公務員になったのかと問い質したいものです。
今後も情報や意見などがあれば、お寄せいただきたいと思います。そして新体制での芸術学校に期待し注目してまいりたいと思います。
※公判報告の概要は以上となります。
寄せられた声
◎SNSのThreads(スレッド)への水野議員の投稿での交流を紹介します。
〇高知芸文さん(kochigeibun)
高知でも兼業届けして演奏会に 招かれる技能者教員はいるけれど この太田市の事例のようなものは初めて見る。
〇水野議員(masami3.mizuno3)
ありがとうございます。記事を読まれてご理解いただけたのですね。
この処分は恣意的な意図を持って仕掛けられた捏造によるもので、一部の先導者、というより首謀者が市長(当時)を強引に説き伏せて、市役所という組織を利用して行った不当処分なのです。負けるはずのない裁判です。
〇高知芸文さん(kochigeibun)
当の職員というより 副市長派の追い落としが目的のような 行動なんですかね? 行政内部の派閥争いには縁がないのですが 知人が会計年度内採用で 酷い職場で泣かされていて 知事部局に一言申し上げたら 業務改善されたことがあります。
〇水野議員(masami3.mizuno3)
実はこの不当処分は、処分された参事(課長の1階級上)(当時)に対する上司(当時)である部長と副部長の私怨から始まったのです。
係争中なので、原告や弁護士さん、原告を支援するみなさんの意向もあって、ブログにはまだ全てを投稿しておらず、ここでもすべてをお話しすることはできませんが、ご支援に感謝を申し上げます。
このやり取りを、原告をはじめ関係者にも伝えます。ありがとうございます。
今回の報告はここまでですが、次回は6月26日、第11回公判(WEB)が予定されています。
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