昨夜放映された「NHKスペシャル 不発弾処理 足下(もと)に潜む“脅威”」は、今でも爆発する不発弾のリアルな恐怖を映し出し、負の遺産である不発弾をどうするのかとストレートに投げかけています。
太田市立北の杜学園のテニスコートに埋没していると市史から読み取れる不発弾と同じ250キロ爆弾の信管処理の現場も放映され、不発弾の爆発による複数の被害者の生々しいインタビューなどもあり、見た人は恐怖を覚えたと思います。番組では自衛隊の不発弾処理隊員が、不発弾が爆発した場合の被害は半径700メーターから1,000メーターに及ぶと話しています。
私はNHKプラスで何度も繰り返しながら見ました。
「『忘れたい』そういう人のことよくわかります。こういう不幸な目にあう人出てほしくない。そのためには言わなければならない。『そのままでいいですか』って」。
被害者である80歳の男性が嗚咽しながら発した言葉が胸に刺さります。
北の杜学園の不発弾 調査求める二度の議会質問に前市長は調査を拒否
私は2023年3月、2024年12月の市議会で二度にわたり、北の杜学園のテニスコート地下に埋没していると市史から読み取れる不発弾の調査を求めました。
これまでの質問では、不発弾は衝撃を与えなくても自然に爆発することもある危険なものだと強調しています。さらに昨年12月議会での質問では、昨年10月の宮崎空港での不発弾の爆発、時間の経過による不発弾の爆発リスクがこれまでの想定より高まる可能性があるという、ノルウェーの研究チームの発表を報じた昨年11月16日付NHK大分のウェブニュースも紹介し、不発弾の調査を求めています。
前市長 スバルの工場を止めて調査できない
清水市長(当時)は、私の質問に二度とも不発弾の調査を拒否しました。昨年12月議会での質問に清水市長は、テニスコートに不発弾があるかないかも分からないとして、調査は不可能と答弁。不発弾の可能性を否定できないなら調査が必要と迫った私に、不発弾はスバルの工場内に落ちているものがほとんどとして、工場を止めて調査はできないと答えました。
命にどう向き合うか
今年4月の市長選で市長が変わった今、市が命にどう向き合うかが問われています。
不発弾の被害者には国からの補償はありません。不発弾の調査費用は、NHKスペシャルでは1発2,000万円とされ、そのうち4分の1は自治体負担とされます。補償や費用負担に対する国の責任も当然問われますが、自治体としての命に対する責任が鋭く問われています。
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