B型肝炎・C型肝炎患者の救済に関する意見書採択の請願‐全会一致で採択‐太田市6月議会

 本日6月26日の太田市議会本会議の最終日、B型・C型肝炎救済群馬の会(安井朱美代表)から提出された、B型肝炎・C型肝炎患者の救済に関する意見書採択の請願が全会一致で採択されました。

※請願が求める4項目

1.肝炎治療薬、検査費、入院費への助成をはじめ、肝炎治療費への公的支援制度を確立するとともに、肝硬変、肝がん患者への障害者手帳の交付基準を改善し、肝炎対策基本法が定めたB型・C型肝炎による肝硬変、肝がん患者への特別な支援策を講じること。

2.肝炎ウイルスの未検査者、ウイルス陽性者の未治療者の実態を調査し、早期発見・早期治療につなげる施策を講じるとともに、治療体制・治療環境の整備、治療薬・治療法の開発、治験の迅速化をはかること。

3.B型・C型肝炎への偏見差別の解消と薬害の根絶をはかること。

4.医原病であるB型・C型肝炎による死亡者には一時金、治療中の患者には健康管理手当・支援金を支給する法制度の確立によって被害が償われ、持続的に治療を続けられる環境を整備すること。

 同請願は、6月20日の市議会教育福祉委員会でも全会一致で採択されていたものです。

 本日26日の本会議で私が行った、B型肝炎・C型肝炎患者の救済に関する意見書採択の請願を採択とする教育福祉委員長報告に対する賛成討論(大要)は次のとおりです。

請願第10号
B型肝炎・C型肝炎患者の救済に関する意見書採択の請願を採択とする教育福祉委員長報告に対する賛成討論
 日本共産党 水野正己

 日本共産党の水野正己です。通告にもとづいて、請願第10号を採択とする教育福祉委員長の報告にたいする賛成討論を行います。

 本請願は、B型・C型肝炎患者の救済のため、請願書に記載の4項目の意見書を政府・関係機関に提出することを求めるものですが、日本にはB型・C型肝炎感染者・患者が350万人いると推定されています。

 そうした肝炎患者の大半は血液製剤の投与、輸血、集団予防接種や治療時の注射器の使い回しなどの医療行為による感染とされ、慢性肝炎から高い確率で肝硬変・肝がんに進行する深刻な病気です。患者たちは病状の悪化と高い医療費負担、差別などに苦しめられ、毎日約120人ものB型・C型肝炎患者が肝硬変、肝がんなどで亡くなっているとされます。

 患者たちの裁判と運動、超党派の支えで「特定血液製剤によるC型肝炎感染者に救済給付金を支給する特別措置法(特措法)」、「B型肝炎感染者への給付金支給に関する特措法」が成立し、薬害C型肝炎と、集団予防接種によるB型肝炎の患者・遺族に、裁判を通して補償・救済されるしくみができました。

 しかしカルテや検査などによる厳しい証明が必要なため、裁判で救済される患者は一握り(薬害C型肝炎の2~3千人、集団予防接種によるB型肝炎の3万人前後)です。C型肝炎患者の9割以上を占める注射器の使い回しや輸血が原因の患者、母子感染ではないという証明ができないB型肝炎患者の大半は、裁判の対象外とされ、救済のしくみがないままとなっております。

 注射器の使い回し、輸血、血液製剤などで感染させられ、同じ病、同じ被害で苦しめられていながら、運よくカルテや検査結果がある、ごく一部の患者だけが救済・補償され、大半が救済されないという、不公平な状況が続いているのが現状です。

 B・C型肝炎という国内最大の感染症被害を招いたことは国に責任があり、国と地方公共団体には患者を救済する責務があると定めた肝炎対策基本法が超党派で成立し、平成22年1月に施行されました。

 基本法は「国及び地方公共団体は肝炎患者が必要に応じて適切な肝炎医療を受けることができるよう、経済的負担を軽減するために必要な施策を講ずるものとすること」のほか、肝硬変・肝がん患者への特別な支援、肝炎予防・肝炎検査の促進、医療機関の整備などの肝炎対策に取り組むよう求めています。

 患者たちの運動によって、インターフェロン・核酸アナログ製剤の治療費助成と、肝硬変・肝がん患者への障害者手帳交付は制度化されました。しかしインターフェロン助成は期限付きで、対象者が限られ、障害者手帳は認定基準が厳しすぎて、死が迫った末期患者しか適用されません。

 また、インターフェロン以外の、日常的な肝炎治療費そのものへの支援策がないため、月1万から数十万円の通院・入院費が払えずに治療を断念せざるをえず、重症化し、命の危険にさらされる患者も少なくありません。

 肝炎対策基本法が求める「必要に応じて適切な治療を受けることができるよう、経済的負担を軽減する」という、肝硬変・肝がん患者への特別な支援策とは大きくかけ離れているといえます。

 いま求められているのは、国民の1割にあたる、注射器や輸血、薬害などによって感染させられたB型・C型肝炎患者に対して、国が被害を償い、患者が安心して治療を続けられるよう、治療と命を支える公的支援制度の確立です。


 そのためには、地方からの声を政府、国会にあげていくことが重要となっており、2013年2月定例会までに44都道府県議会で、請願者の請願項目、意見書案にほぼ沿った意見書が採択されているという現状を考えても、本市議会で本請願を採択することには、重要な意義があるということを申し上げて、賛成討論を終わります。

 なお26日の本会議では、請願が求める4項目を明記した意見書を政府・関係機関に提出することも全会一致で可決しています。

[太田市] ブログ村キーワード 
全労連・労働相談ホットライン 
無料法律・生活相談会  
渋沢ゆきこ市議のブログ
 
たなはしせつ子 党群馬くらし・雇用対策委員長のブログ
渋沢哲男 党 群馬3区 国政対策責任者のブログ 
あなたもやってみませんか? 
ブログ村 群馬情報 投票ボタンにほんブログ村 ランキング参加中です。ぜひクリックをお願いします!

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次