議決なしで削減可能に
3月市議会には、市長寿祝金条例の改定案が提案されています。
改定案の概要は次のとおりです。
①現在75歳以上80歳未満の人に支給している元気支援金と80歳以上の人に支給している長寿祝金を統合。
②祝金の額を毎年の「予算の範囲内において別に定める」とする。
①はとくに問題がありませんが、②が問題です。
これでは、毎年いくらでも議決なしで削減が可能となってしまいます。
26日の市議会では、この条例改定案にたいして市長に質問しました。
現在の支給額は、75歳以上80歳未満の人の元気支援金が年5千円、長寿祝金は80歳以上88歳未満が年6千円、88歳以上100歳未満が年8千円、100歳の誕生日には50万円、101歳以上が年8千円の現金と1万円の市金券に5千円相当の花を贈呈とされています。
2月16日の市長のブログでは、「たまゆらに思うこと」というテーマで、4日の私の総括質疑のテーマとも関係しますが、お年寄りが入所する施設の費用を払いきれない問題に触れて、「そのしわ寄せをお年寄りに向けたらいけない。国民年金だけのお年寄りを野たれ死にさせることはいけない。彼らは世界でも有数な日本をつくってきた立役者である」としています。
私もまったく同感です。
長寿祝金についても同様で、これまで社会に貢献されてきたお年よりのささやかな楽しみである長寿祝金を削減することはできません。
しかし改定案の「支給額は予算の範囲内において別に定める」という規定は、やろうと思えば、毎年いくらでも支給額を削減可能とするものです。
これまで太田市では、他市町村にあまり例がない75歳以上を対象とした元気支援金を支給。少なくない他市町村が長寿祝金と同様の支給を、毎年支給から5年ごとの節目支給と削減しているもとでも、太田市では毎年の支給を続けてきました。
私はまず1点目に、05年の合併後に削減されてきた101歳以上の人の支給額について、2点目に、この改定が可決された場合の新年度以降の支給額について質しました。
支給額は1億円の範囲で
100歳の慶祝金は20万円に
市長は、「75歳以上は現在21,000人、H25(2013)年には27,000人。高齢者が増えている」と答弁。1億円の範囲内で100歳の慶祝金は20万円(現在は50万円)にすることになると答えました。
なお新年度から「現金ではなく金券で」とも答えています。
私は、長寿祝金はお年寄りに支給するが、同居であっても別居であっても、お年寄りを支える家族にたいする慰労・感謝の意味もあることを指摘。
この間の負担増と景気悪化のもとで、暮らしが大変ななかでお年寄りを支えている家族へのいたわりは大切で、この間の高齢者への負担増は相当なものがあることも強調しました。
この間の年金削減や公的年金控除の縮小、老年者控除の廃止など高齢者の負担増は計り知れないことも指摘し、削減撤回とともに「せめて新年度だけでも削減せずに現行どおり支給すべき」と市長に求めました。
しかし市長は、「税収が上がれば1億円の枠の拡大もはかっていく」としながら、「無限には増やせない。税収(の落ち込み)もある」とあくまで削減を中止しようとはしませんでした。
この削減方針をやめさせ、お年寄りのささやかな楽しみを守るために、みなさんと一緒にこれからもがんばります。
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