2012年度 太田市予算‐一般会計、後期高齢医療、介護保険、水道の各会計予算に反対討論

  3月議会では、2012年度太田市一般会計予算をはじめ、国民健康保険、住宅新築資金貸付、後期高齢医療、八王子山墓園、介護保険、藪塚本町老人保健施設、水道、下水道の各会計予算が審議・可決されました。

  日本共産党市議団は、渋沢ゆきこ議員が予算委員会で審議に臨み討論。私が本会議最終日に討論を行いました。

  党市議団は、一般会計、後期高齢医療、介護保険、水道の各会計予算に討論で問題点を指摘して反対(反対は党市議団のみ。他の会計予算は全員賛成で可決されました)。

  新年度からの国民健康保険税の引き下げや、大きな受益者負担とならない石原1区、東長岡・馬場地区への下水道の整備・拡大を評価し、国民健康保険、下水道の各会計予算には討論のうえ賛成(全員賛成)しました。

  なお太田市のすべての予算の合計は1千250億8千878万4千円です。審議や討論をつうじて明らかになった新年度予算の問題点(概要)を掲載します。

市民には6億円の増税と
4億円の介護保険料値上げ

GKAには
市有地貸付料700万円値下げ

OICTには補助金1億円
中島記念センターにも1億円

市民税増税6億円

民主党が子ども手当の財源とするため強行した地方税法改悪を受けた市民税増税による年少扶養控除の縮小・廃止(2万8千人に5億5千万円増税)と、やはり民主党が大震災の復興財源づくりを口実に強行した地方税法改悪を受けた市民税均等割の年500円増税(10万5千人に5千万円増税)(ともに3月議会で可決・党市議団のみ反対)を合わせて6億円の増税がもたらされます。

人件費削減

昨年12月議会での人勧完全実施の議決や3月議会で可決(党市議団のみ反対)された職員の特殊勤務手当の廃止、職員削減などにより、一般職の給与費で、11年度対比で8千800万円を削減します。

  給与の削減は、職員の生活設計を大きく狂わせ、地域経済にも大きな打撃をもたらし、職員の削減は、市民サービスの後退にもつながります。

行政財産使用料条例改定

3月議会で可決(党市議団のみ反対)された行政財産使用料条例の改定で、市有地内に設置する自動販売機にかける使用料を値上げします。まちの酒屋さんが市有地に設置する場合は、売り上げが1台月2万円という自動販売機もあります。

  売り上げがわずかな自動販売機も大手業者の場合も一律に値上げすることは認められません。

GKAへの市有地貸付料
700万円値下げ

  私立学校である群馬国際アカデミー(GKA)への市有地貸付料は、3月議会で可決(党市議団と深澤直久議員が反対)された補正予算によって700万円値下げした800万円とされます。

OICTに1億円補助
  株式会社である太田国際貨物ターミナル(OICT)には、1億円の補助金を計上。これでOICTへの税金投入は17億円を超えます。

中島記念センターに1億円

  切実な市民要望とはいえない中島知久平記念地域交流センターの整備には1億円あまりを計上。これで同センターへの税金投入は3億7千万円ほどになります。

行政センター
夜間・休日利用に支障

  行政センターの平日夜間・休日の管理人・警備員の配置も一昨年から廃止されたまま。市民の多彩な活動の拠点である行政センターという公共施設のあり方、市民サービスのあり方が問われます。

尾島生きがいセンターを廃止

  予算は3月議会で可決(党市議団のみ反対)された尾島生きがいセンターの廃止を前提としています。高齢者のよりどころである健康と福祉の増進、疾病・介護予防に寄与するための施設を廃止することは認められません。

リフォーム支援を廃止

  予算では、市長も経済波及効果が高いと認める住宅リフォーム支援事業の廃止を前提としています。新年度中の復活が強く求められます。

市営住宅
退去時の原状
回復費用を軽減

  昨年度までは市営住宅の退去時には、天井や壁紙、ふすま、障子、畳を退去者負担で新品に交換しなければなりませんでしたが、
新年度からは、退去時には県営住宅と同様に、天井や壁紙は市の負担で交換されることになります。
  私は昨年9月議会の決算委員会で、公営住宅の退去時の原状回復費用について、経年劣化によるものは自治体負担とする国土交通省のガイドラインを指摘。天井や壁紙、ふすま、障子、畳など経年劣化によるものは市の負担で交換すべきと指摘していました。

学校へのエアコン実現せず

  学校の猛暑対策はグリーンカーテンの改善とミストの継続が中心で、全教室へのエアコン設置はいまだに実現されません。

後期高齢医療会計
保険料値上げ

  後期高齢者医療特別会計では、新年度は保険料が値上げされ、軽減措置があるものの、均等割は3万9千600円から4万2千700円に、所得割は7・36%から8・48%に値上げされます。

介護保険会計
4億円の保険料値上げ

  介護保険特別会計では、保険料を現行の実質9段階から実質12段階とし、低所得者の値上げを一定程度抑えることは評価できますが、保険料基準額を年4千800円値上げし年5万5千800円とする条例改定(3月議会で可決・党市議団のみ反対)を前提とした予算。値上げ総額は3億9千800万円で、昨年度に比べて年額・月額平均で9・4%の値上げとなります。

水道事業会計

  水道事業会計は、水道事業の民間への包括業務委託6年目を迎えます。
  命にかかわる水道水を、安全かつ安定的に継続して供給しなければならない水道事業の性格を考えれば、完全な直営に戻すことが必要であり、包括業務委託を続ける予算は認められるものではありません。

  太田市の2012年度予算は、厳しい環境に置かれる市民の暮らしと中小業者の経営を根本から応援するものとは、なりきれてはいないこと、6億円もの市民税増税と4億円もの介護保険料の値上げを前提とした予算であり、増税分の市民への還元という点でも大きな課題が残ることを指摘せざるをえません。

  さらに太田市が財政的にはまだまだ体力があり、最近では、明確な不要不急の大型公共事業もなくなり、臨時財政対策債という交付税の代替、つまり実質の交付税である借金を除けば、借金の残高も年々減少しており、臨時財政対策債を除いた公債費も年々減少していること、財政調整基金も2010年度決算後は10億円を積みまして50億円となっていることを考えても、市民生活と中小業者の経営を守る手立てを強めることは、まだまだ可能です。

以上が一般会計、後期高齢医療、介護保険、水道の各会計予算に日本共産党市議団が反対したおもな理由です。

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