職員給与を平均7.4%削減‐太田市6月議会で反対討論

 本日6月26日の太田市議会本会議の最終日、市職員給与を平均7.4%削減する議案が、日本共産党の2人の議員以外の賛成で可決されました。

 職員給与の削減は20日の市議会総務企画委員会で、日本共産党の私以外の議員によって可決されていたものです。

 26日の本会議で私が行った、職員給与の削減議案を可決とする総務企画委員長の報告に対する反対討論(大要)は次のとおりです。

議案第62号
太田市職員の給与の臨時特例に関する条例の制定について
 日本共産党 水野正己

 日本共産党の水野正己です。通告にもとづいて、議案第62号に対して、大きく5点を指摘して反対討論を行います。

 本案は、市長、副市長、教育長と職員の給与について、かつてないほどの大規模な削減を行おうとするものです。

 削減の内容は、市長、副市長、教育長が給料月額で10%削減。削減期間は市長が今年7月から2年後の2015年3月まで。副市長、教育長は今年7月から来年3月まで。その削減額の合計は234万円とされます。

 なお、その削減合計額のうち、市長給与の来年4月から2年後、2015年3月までの削減額は121万2千円とされます。

 市長給与の削減期間が今年7月から2年後の3月までとされるのは、市長選後最初の市の広報に、公選法に抵触する可能性のある文書を掲載して発行し、配布前に発行を差し止めたことで118万円の発行経費を余分に支出したことに対する市長の謝罪の気持ちからとされています。

一片の道理もなし

 そして問題なのは、職員給与の削減です。
 職員給与は、今年10月から来年3月まで、月額給与の平均7.4%を削減するとされ、その削減額の合計は、2億7,840万8千円とされます。

 市長、副市長、教育長、職員ともに、ボーナスについては、削減前の給料を基に支給することから、削減は行わず、職員の管理職手当や残業代にあたる時間外手当など、給料月額に連動する手当についても、やはり削減前の給料を基に支給することから、削減は行わないとされています。

 しかし私はまず、この2億8,000万円近い職員給与の削減には、一片の道理もないということを強く指摘するものであります。

交付税削減による国からの
不当な強要には従う必要なし

 まず第1に、この給与削減は、市長みずからが厳しく指摘しているように、地方交付税という地方固有の財源を国が奪い取ることで地方に強要するものであるということです。

 今回の地方公務員給与の削減を強要する交付税削減に対しては、全国知事会、市長会、町村長会、都道府県議長会、市議会議長会、町村議長会など、地方6団体も強い批判を行っており、そうした理不尽かつ不当な強要には、いっさい従う必要はないということを、改めて指摘するものであります。

人事院勧告すらないがしろに

 第2に、今回の、国からの地方公務員給与の削減の強要が、労働基本権を制約されている公務員に対して、その労働基本権制約の代償措置とされている人事院勧告制度すら、ないがしろにしているものであるということです。

 その点を考えても、今回の国からの強要には、いっさい従う必要がないということを、厳しく指摘するものです。

不況打開に逆行

 第3には、今回の削減は、市民・国民が切実に願ってやまない、不況打開・景気回復に逆行するものだということです。

 不況打開のためには、国民の所得を増やすことが切実に求められており、そのためには、社会保障の充実とともに、国民の7割といわれる労働者の賃金を引き上げることが必要となります。

 しかし公務員給与の削減は、民間労働者の賃金引き上げに逆行する、強いブレーキを踏むことになってしまいます。

 この本会議場での、「可処分所得を上げなければ、景気など回復するわけがない」、今回の削減について、「経済への影響は当然ある」とした、市長自身の答弁にも矛盾するものであることを、あわせて指摘するものです。

 さらには、国家公務員労働組合連合会などが加盟する労働総合研究所の試算によって、国家公務員給与の7.8%削減に伴う地方公務員給与の削減、民間労働者の賃下げや所得減少に伴う購買力の低下など、経済へのマイナスの波及効果が、国内生産の減少で4兆5,608億円、税収減で4,213億円とされていることを考えても、今回の本市の職員給与の削減は、景気回復に大きく逆行するものであることを、重ねて指摘するものであります。

交付税が削減されても
財源上は給与削減の必要なし

 第4には、財源の問題です。
 今回の削減は、提案理由の説明でも、議案質疑に対する答弁でも、地方交付税の削減に伴い、市民サービスへの影響を回避するためとされています。

 本市における交付税算定の根拠となる基準財政需要額は、人件費に係る部分では4.2億円削減とされます。対して、その代替措置とされる、本市の交付税の基準財政需要額に算入できる地域の元気づくり推進費は1.2億円が見込まれるとされます。

 差し引き3億円の財源不足となりますが、しかし交付税削減に対する、もう一つの代替措置と考えることのできる、国からの交付が見込まれる、地域の元気臨時交付金は4.3億円とされます。

 この4.3億円を加えると、本市では、交付税削減がされたとしても、1.3億円の財源の余剰が生まれることになります。

 市長が私の議案質疑に対して、「職員給与の削減が必要ないだけの財源を持っている」と答えたことを考えても、交付税が削減されたとしても、市民サービスへの影響を回避するための財源は備わっていることになります。

 であれば、今回の削減は、理由も根拠もなくなり、削減の必要はなくなるということを重ねて指摘するものであります。

職員削減による負担増
残業、休日出勤、振替休日…

 第5には、これまで本市では、行政改革によって歳出の抑制をしてきたということです。

 日本共産党は反対してきましたが、合併後の職員削減によって2012年度末見込みで人件費の削減は累計58億円にのぼるとされます。

 職員の負担も増え続け、残業や休日出勤、振替休日も増加しています。

 こうした職員の労苦に報いようとすれば、とても給与の削減などできないはずであります。

管理職手当は復元・増額

 今回の職員給与の削減にあたっての補完策として、2010年度に削減された管理職手当の復元・増額も今年10月から行われ、削減が終了する来年4月以降も継続するとされますが、しかし3億円近い給与削減は、職員の生活設計を大きく狂わせ、地域経済に甚大な影響を及ぼすことを重ねて強く指摘するものです。

議員報酬の削減には賛成

 なお本議会には、今年10月から来年4月までの議員報酬の10%削減も、議会提案として議案が提案されていますが、労働者である職員の給与と議員報酬は同列に論じられないことから、議員報酬の削減には反対しないこともあわせて申し上げて、反対討論を終わります。

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