太田市9月議会では、県新聞販売店組合が提出した、消費税増税を前提にしたうえで新聞への消費税軽減税率の適用を求める請願を採択しながら、東毛民商が提出した、消費税増税の中止を求める請願は日本共産党以外の議員によって不採択とされました。
新聞への消費税軽減税率の適用を求める請願は、提出したのは新聞販売店組合ですが、提出前から議会の各会派に説明にまわり、請願の紹介議員に内容を説明したのは新聞社。この請願の事実上の提出者が新聞社であることは明白です。
新聞社がこの間、さんざん消費税増税をあおり立ててきたのは各紙の紙面を見れば一目瞭然であり、「新聞だけは軽減税率を」というのは、身勝手極まりないとしか言いようがありません。
さらに問題なのは、新聞への消費税軽減税率の適用を求める請願を採択しておきながら、消費税増税の中止を求める請願を不採択としたことです。
消費税増税によって消費税収が増えても、景気悪化で税収全体が落ち込み、経済も財政もいっそう悪化し、国民や中小企業に耐えがたい大きな打撃をもたらすことは、1997年の3%から5%への消費税増税の例をあげるまでもありません。
なによりも、新聞にだけ消費税軽減税率が適用されても、消費税が増税されれば結局は国民の可処分所得が奪われ、景気もさらに落ち込み中小企業も打撃を受け、新聞の売上が落ち込むことは想像に難くありません。
なお新聞への消費税軽減税率の適用を求める請願を採択とする市議会・総務企画委員長の報告には、日本共産党とともに5人の保守系議員が反対しています。
※太田市議会・市民経済委員会の委員名簿はこちらをご覧ください。
●太田市議会・常任委員会等委員一覧表
(太田市ホームページ・議会のページ)
9月25日の市議会本会議で、2つの請願に対して私が行った反対討論(大要)は次のとおりです。
反対討論
[請願第13号]
新聞への消費税・軽減税率適用を求める請願を採択とする総務企画委員長報告について
[請願第14号]
消費税増税の中止を求める請願を不採択とする総務企画委員長報告について
まず最初に、新聞への消費税・軽減税率適用を求める請願ですが、この請願の提出者は新聞販売店組合となっています。
しかし、請願の提出前から準備のため市議会の各会派を回っていたのは新聞記者であり、請願の提出前に紹介議員に趣旨を説明したのも新聞社であることが、請願を審査した総務企画委員会における紹介議員の趣旨説明でも明らかになっております。
つまり、この請願の事実上の提出者は新聞社であるということになります。
それでは、新聞社は、これまで消費税増税について、どういう態度をとってきたのかということが、正面から問われることになります。
とりわけ、読売、朝日、毎日、日経、産経など大手5紙は、この間、政府の消費税増税姿勢を後押しし、1年前には、年初の社説につづき、民主党の野田内閣改造の際にも、大手5紙が横並びで増税をけしかける社説を掲載してきました。
大手紙による消費税増税をけしかける論調は、目に余るものがあります。
たとえば、昨年1月に大手紙が一斉に発表した、大手紙自らが行った世論調査では、設問に「社会保障の財源」と明記しても消費税増税に「反対」が軒並み55%を超え、「賛成」は3割台に低落する結果となったにもかかわらず、大手紙はその後も政府の増税方針を後押ししてきました。
昨年1月25日付の各紙は、「朝日」では、「消費増税を柱とする一体改革を絶対にやりたい、という気合は伝わってきた」、「日経」では、「一体改革の実現を目指す熱意は伝わってきた」と好意を示し、「読売」は、「『決断する政治』への戦略持て」などと増税の指南役を買って出る始末でした。「毎日」も、「責任共有し税制決着を」と野党に増税談合に応じるよう求めていたほどです。
このように、さんざん増税をあおりり立てておきながら、いま消費税増税を前提にしながら新聞だけ軽減税率の適用を求める新聞社の態度は身勝手極まりないものであり、虫が良すぎるにもほどがあると言わなければなりません。
仮に新聞への軽減税率が適用されたとしても、消費税が増税されれば、結局は国民の可処分所得が奪われ、中小企業も打撃を受け、景気はさらに落ち込み、新聞の売上も減ることになります。
こうして考えるなら、いま切実に求められるのは、来年4月からの消費税増税の実施の中止を求めることにほかなりません。
ところが総務企画委員会では、東毛民商が提出した、消費税増税の中止を求める請願を不採択としてしまいました。
消費税の10%への引き上げは、国民全体で13.5兆円の大増税となり、赤ちゃんからお年寄りまで含めた国民一人あたりでは、11万円近い増税、4人家族では40万円を超える増税となります。
13・5兆円の大増税のうち新たな「社会保障の充実」に充てられるのはいくらかといえば、5%引き上げ分のうち、わずか1%分、2・7兆円というのが政府の答弁です。
政府も、消費税増税によって「社会保障全体の水準が上がる」とは答弁できないのが現状です。
消費税を5%に増税する前の年の1996年度と、2010年度の、国と地方の税収の比較でも、消費税増税は、「社会保障の安定財源確保」にも「財政健全化」にもつながらないことは明らかです。
たしかに消費税増税によって消費税収は増えていますが、法人税、所得税など、他の税収は大きく減っています。
その結果、税収の総額は、90兆円から76兆円に14兆円も落ち込んでおります。
この14年間で計算しますと、累計で84兆円もの税収減というのが、結果であります。
その最大の原因は、消費税増税をきっかけに景気が悪化し、日本経済が長期の低迷・後退におちいったことにあります。
くわえて大企業・金持ち減税がおこなわれました。
両方があいまって、税収の深刻な空洞化を招いていることになります。
同時に、消費税増税は、日本経済の6割を占める家計消費に大きな打撃を与えることを忘れてはなりません。
1997年の消費税5%への増税をはじめとする「9兆円の負担増」が、何をもたらしたかということです。
当時は、弱い足取りではありましたが景気は回復途上にありましたが、消費税増税によって、景気をどん底に突き落としました。
あの時と比較すると、消費支出は、平均で、59万円も減っています。ただでさえ長期にわたって所得も消費も落ち込みが続いているもとでの大増税となります。
もう一つの問題は、日本の雇用の7割を支えている中小企業にも大打撃をもたらすということです。
日本商工会議所など中小企業4団体が、おこなった調査によれば、「消費税が引き上げられた場合、販売価格に転嫁できるか」という問いにたいして、5割から7割の中小業者が「転嫁できない」と答えています。
転嫁できない場合には、「身銭を切る」ことになり、消費税増税は、アベノミクスの恩恵を受けられず、デフレ不況に苦しむ中小業者にさらに耐えがたい追い打ちをかけることになってしまいます。
深刻なデフレ不況のもとでの消費税増税が、これまで経験したことのないような経済への破局的な打撃をもたらすことになることは、間違いありません。
こうして考えるなら、新聞への消費税・軽減税率を求める請願を採択しながら、消費税増税の中止を求める請願を不採択とする、総務企画委員長の二つの報告には、絶対に同意できるものではないということを、強く指摘して、反対討論を終わります。
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