来年4月から 藪塚本町幼稚園 新田第一保育園を民営化 太田市6月議会で一般質問

問題山積 公的責任の後退に
藪塚本町幼稚園
民営化委託公募を
知らなかった幼稚園も


 6月議会の一般質問では、来年4月からとされる市立藪塚本町幼稚園の民営化について質問。民営化委託公募が市の広報紙やホームページだけだったため、複数の幼稚園が公募を知らなかったことを指摘し、周知不足で公平性からも問題と指摘しました。

 福祉こども部長は、広報紙やホームページで約1カ月公募したことや藪塚本町地区の全保育園6園に説明したことから、「他の事業者が不利をこうむったとは考えがたい」と答弁。市長も「誰かがその意図をもってやることは一切ない」と答えました。

給食は外部搬入でなく市が調理を
 
 私は給食についても質問。福祉こども部長は、現在は隣接する藪塚本町小学校で調理している給食が、民営化後は「外部搬入が想定され」ると答えました。

 市の責任でつくる給食から民間・外部搬入になる問題を指摘した私に市長は、「従来どおりやれば問題ないのではないでしょうか」「心配ないようにするのが良策」と答えました。
 
認定こども園化とセットの民営化

 私は、藪塚本町幼稚園の民営化が認定こども園化とセットで行われる問題を指摘。認定こども園では、保育・教育に直接関わる職員が保育士か幼稚園教諭いずれかの資格しかもたない場合は、早期に2つの資格の取得が求められ、現場の保育士や先生は、子どもたちに向き合いながら勤務後に資格取得のため勉強をすることになり、負担が増える問題をただしました。

増える先生の負担
子どもたちへの影響は

 私は、認定こども園が生活リズムの違う保育園の子どもと幼稚園の子どもの保育・教育を同じ園で行うことから、ただでさえ先生たちの負担が増えることを指摘。先生たちの苦労や努力は子どもたちのためにこそ向けられるべきで、税金を使って先生の負担を増やすやり方をすべきではないと強調しました。

 市長は、「そんなにサービスが落ちるとは思っていません」「民営化された、その意欲によって向上すると思っています」と強弁しました。

保護者説明会も開かれず
保育料は1万円以上値上げも

 私はさらに、民営化に対する保護者説明会も6月まで開かれず、認定こども園化で保育料が1万円以上値上げされるケースもあることを指摘。市長は「不安がないように対応していきたい」「これから協議」と答えるにとどまりました。

新田第一保育園も民営化
経験もない設立されてもいない
「法人」に公募せず譲渡

公立園ゼロに

 一般質問では、唯一の市立保育園である新田第一保育園(木崎地区)の来年4月からの民営化についても質問。保育園運営経験もない、設立されてもいない、「設置予定」の社会福祉法人への公募によらない施設譲渡形式での民営化という方針をただしました。

 福祉こども部長は「民間移譲検討委員会の答申を受け、地域園での運営が最良と判断」したと答弁。市長は「経営する理事が全て木崎周辺の方々」であり、保育園長も「経験者を採用しようとしている」として、「地域で新田第一保育園を支えてくれる」と答えました。

先生の大半がかわる可能性
藪塚本町幼稚園も新田第一保育園も

 私は、新田第一保育園の保育士が正規10人、非正規11人、藪塚本町幼稚園の先生が正規4人、非正規6人であることを明らかにし、両園とも半数の保育士・先生がかわる可能性があり、子どもたちへの影響や雇用の継続が心配される問題を指摘。福祉こども部長は「子どもは順応性が高く、影響は少ない」と考えていると答えました。

 市長も「おそらくうまくいく。地域で支えてくれる」と答弁。しかし両園とも、いまだに保育士や先生がどれだけかわるのかは一切示されず、子どもたちへの影響や雇用継続の問題は解消されません。

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役に立って、希望がもてて、楽しめるブログにしたいなぁ…と思いながら更新中です。

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