9月30日の太田市議会最終日の本会議で、mRNAワクチン(レプリコンワクチンを含む)及び子宮頸がんワクチンのリスク周知徹底を求める請願に対して行った反対討論(要旨)は次の通りです。
本請願は、メッセンジャーRNAワクチン(レプリコンワクチンを含む)及び子宮頸がんワクチンのリスクの周知徹底を求めるものです。
請願書本文には、メッセンジャーRNAワクチンについて、「全身のあらゆる細胞が標的となり自身の免疫機能の攻撃を受ける可能性」、「産生されるスパイクタンパク質による毒性、繰り返し接種による免疫抑制、DNA混入など多くの問題」という記述があります。
また子宮頸がんワクチンについては、「これまでのHPVワクチンと同等またはそれ以上の被害を出す恐れ」という記述もあります。
しかし北里大学の中山哲夫名誉教授は、(昨年9月に)レプリコンワクチンはメッセンジャーRNAワクチンの改良型であり、「レプリコンワクチンを取り込んだ局所細胞内でmRNAが自己複製しても、隣の細胞に伝播増殖することはない」としています。
中山名誉教授の(昨年9月の)見解は次の通りです。
「摂取されたmRNAは10日間前後で徐々に消失することが確認されており、人の遺伝子に影響を与えることはない」。
「自己複製(増殖)することから、mRNAの投与量は従来型のワクチンより6分の1程度と少量ですみ、副反応を軽減させる効果が期待され、高い免疫力が長く続くことが報告されている」。
「安全性については、今年(昨年=2024年)5月29日の厚労省ワクチン分科会の資料でも、有害事象は主に軽度または中程度で、因果関係のある重篤な有害事象は認められていない。同資料ではさらに、新型コロナに対する免疫原性(免疫反応を引き起こす能力)は、ファイザー社のワクチンに比べてオミクロン株に対する抗体原価が高く、長期間(6カ月)持続されたことが国内第3相試験の結果で示されている」。
「2021年7月から9月頃に、新型コロナの変異株であるデルタ株が流行中のベトナムで16,000例の大規模治験が行われており、使用は日本が初めてではない」。
中山名誉教授はまた、「ワクチンに対する誤解や偏見は世界中にある」としたうえで、「日本では、接種後の重篤な副反応について国がきちんと説明してこなかった歴史があり、『副反応は受け入れられない』という風潮がある」とも語っています。
そのうえで中山名誉教授は、「新しい技術に対して、ともすれば感覚的、感傷的なものの見方になりがちですが、そういう時だからこそ、物事を科学的に見る姿勢が必要」として、「ワクチンを接種しても罹患することはありますが、接種後にかかっても未接種者に比べてウィルス排出量や期間は低減することが報告されている。ワクチンの効果と副反応だけでなく、コロナにかかった時のリスクも考えてほしい」とも語っています。
そして中山名誉教授は、「レプリコンワクチンは初認証のワクチンだけに、国は、正確で科学的な情報を国民に分かりやすく提供する必要がある」としています
ところが、本請願は、請願書の本文で、前述の通り、mRNAワクチンを、「全身のあらゆる細胞が標的となり自身の免疫機能の攻撃を受ける可能性」、「産生されるスパイクタンパク質による毒性、繰り返し接種による免疫抑制、DNA混入など多くの問題」として、子宮頸がんワクチンについても同様に危険なワクチンと決めつけるかのような内容となっています。
そして本請願が求めているのは、「科学的で正確な情報」の周知ではなく、レプリコンワクチンを含むmRNAワクチンや子宮頸がんワクチンのリスクの周知です。
求められているのは「リスクの周知」ではなく、「正確で科学的な情報の周知」であることを強調して、反対討論を終わります。
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