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9月25日の太田市議会・最終日の本会議で私が行った、2013年度の一般会計、後期高齢医療、介護保険、藪塚本町介護老人保健施設、水道の各会計決算に対する反対討論(大要)は次のとおりです。
最初に、2013年度は、第2次安倍内閣による政府予算によって、軍事費を400億円も増額し、加えて、不要不急の大型公共事業や原発輸出推進費など、大企業向けの大盤振る舞いを強めた年度であったことを指摘したいと思います。一方、自然増となるべき社会保障費は圧縮され、年金削減も加わりました。
雇用対策費も2012年度に比べて9.9%減額とされ、地方公務員の給与削減を押し付けるための交付税削減まで計画されたことは、許しがたい暴挙であるといえます。
勤労者の平均賃金は1997年をピークに年間で70万円も減少し、働く人たちの所得は落ち込む一方となっております。そうしたもとで、アベノミクスによる物価上昇が暮らしに襲いかかった年であることも合わせて指摘するものです。
景気回復に逆行する賃下げ
正規職員は退職手当削減に加え
平均7.4%、2.8億円の給与削減
非正規職員も賃下げ
そこで、太田市の決算ではどうかといえば、2013年度は合併して9年目となる年度ですが、正規職員は合併後に250人余りが削減されました。さらに正規職員には、退職手当の削減に加え、昨年10月から今年3月までの半年間で、平均7.4%、合計2億8千万円もの給与削減がもたらされました。
実態として正規職員の代替となっている非正規職員はどうかといえば、臨時職員から嘱託職員への任用替えをやめることによって、事実上の賃金削減が行われました。さらに非正規職員の処遇・賃金の問題では、隣県である埼玉、栃木両県内の市の非正規職員と比べて低い水準にある本市の現状が、人材の流出と、そのことによる市民サービスの向上に逆行するものであることを指摘しなければなりません。
こうした職員の賃金削減は、不況打開・景気回復に逆行するものであり、不況打開のためには、国民の所得を増やすことが切実に求められており、そのためには、社会保障の充実とともに、国民の7割といわれる労働者の賃金を引き上げることが必要となります。
しかし職員の賃金削減は、民間労働者の賃金引き上げに逆行する、強いブレーキを踏むことになることを、重ねて強調するものです。
ただ、評価できる施策、前進面も当然あったわけで、7つほど申し上げますが、まずは2月の大雪による農業被害対策と、各種がん検診をそれぞれ500円で受診可能にする検診のワンコイン化、国民健康保険の特定健診無料化、小中学校の給食費の第3子以降無料化の復活、小・中学校の普通教室へのエアコン設置、三枚橋駅前や韮川駅前への自転車駐輪場の整備・拡張、住宅リフォーム支援事業の再開などは、大いに評価したいと思います。
休日・夜間に無人の公共施設も
しかし、この間、再三に渡って指摘してきたように、行政センター、ふれあいセンター、福祉会館における平日夜間、土日の警備員配置の廃止による利便性の後退や公共交通の充実、住環境の整備という点でも、課題が残ることを指摘しておきたいと思います。
私立「群馬国際アカデミー」には
地代700万円減免を継続
(株)太田国際貨物ターミナルからの地代はたった300万円
公有財産の有効活用という点でも課題が残ります。
私立学校であるぐんま国際アカデミーに対する公有地の貸付料は、2010年度以降、本来の貸付料とされた1,500万円から800万円に減額したままとなっています。株式会社である太田国際貨物ターミナル・OICTに対する公有地の貸付料も、公有地にOICTが独自に建設した建屋の部分のみの公有地貸付料として徴収しているため、その金額は年額で300万円ほどにとどまっているのが現状です。
後期高齢医療
負担軽減が不十分
後期高齢者医療会計では、毎年申し上げていますが、高齢者の負担の軽減という点でも、予防医療も含めて必要な医療を保障できるかという点でも問題を抱えたままであることを指摘するものです。
介護保険料の値上げを継続
介護保険特別会計では、2012年度からの保険料値上げが継続されながら、基金は決算後に7億7千万円あまりとなっていることを指摘するものです。
たったひとつの
市立介護老人保健施設を民間に売却
藪塚本町介護老人保健施設会計では、市内でたった一つの公立・市立の介護入所施設であった老人保健施設の売却・民営化で、介護サービスの要となる介護職員・事務職員の処遇や介護サービスの指標となる市直営施設を廃止したこと、求められている介護サービスの質と量の向上に逆行することを指摘するものです。
命にかかわる水道事業
包括民間委託8年目
水道事業会計では、包括業務委託が7年目となったことを指摘し、命に直結する水道水の浄水・給水事業を民間に委ね続けることは、自治体の責任・役割の後退であることを合わせて指摘するものです。
財政調整基金
決算後に16億円増の82億円に
9月補正後は86億円にも
最後に、本市の財政について申し上げますが、まず財政調整基金の残高が、決算後に16億円積み増して82億円となり、さらにこの9月補正後には、86億円にも達する見込みであることを指摘するものです。
2012年度の決算後の残高が58億円だったことを考えても、大幅な積み増しと言えます。
アベノミクスによって、市民生活と市内の中小業者の経営がますます厳しい状況に追い込まれるもとで、この基金の活用によって暮らしの負担を軽減し、中小業者の経営を応援する手だてを一層強めることが、ますます重要になっていることを改めて指摘してするものです。
具体的に申し上げれば、民間が建設する再開発ビルに多額の補助金を交付するなら、低負担で入所・入居可能な介護施設やグループホーム、障がい者の入所施設や低家賃の福祉住宅の建設、福祉活動の拠点である福祉会館の建設こそ優先すべきであることを強調したいと思います。
さらには、地域経済の活性化という点でも、この間、私がご提案申しあげてきた、商工業振興のための施策に思いきって踏み出すことが可能な財源がありながら、その一歩を踏み出しきれずに、結果として大幅な財政調整基金の積み増しとなったことも指摘し、2013年度決算における主要な問題点を指摘して、反対討論を終わります。
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