「30人学級の実現を求める」請願‐共産党以外が不採択‐太田市9月議会

不採択
―市長の「30人学級への挑戦」に障害

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 本会議での質問や討論など録画映像が視聴できます。

 9月25日の太田市議会最終日の本会議では、30人学級の実現を求める請願が、日本共産党以外によって不採択とされました。

 なお市長は、6月議会の閉会のあいさつで、「太田市として30人学級に挑戦したい」と意向を表明しています。

 今回の請願の不採択は、市長の「30人学級への挑戦」に水をさすどころか、障害をもたらすものといえます。

 所管の教育福祉委員長が本会議で「不採択」と報告した際、市長が不快な表情を表したのは当然です。

 私が行った、この請願を不採択とする市議会・教育福祉委員長の報告に対する反対討論(大要)は次のとおりです。

 請願第19号を不採択とする教育・福祉委員長の報告に対して、その問題点、つまり、本請願が採択されるべき重要なものである根拠を申し上げて、委員長報告に対する反対討論を行います。

 本請願は、「ゆきとどいた教育」の前進のために、第1に、「国の責任ですべての小・中学校、高校で30人学級を実現すること」、第2に、「国が、新たな教職員定数改善計画をつくり、計画的に教職員を増やすこと」の、2点を意見書として、政府関係機関に提出することを求めるものです。

 いま全国の多くの自治体では、独自に少人数学級を実施しており、本県でも小学1年から4年まで、そして中学1年で少人数学級を実施しています。また本市でも、市立太田中学校・市立太田高校では、35人学級を実施しており、さらに市長は、6月議会の閉会のあいさつで、太田市として30人学級に挑戦したいと発言しています。

 国も地方の動きに押されるかのように、2011年度は小学1年で、2012年度は小学2年で35人学級を実施しました。

 ところが、第2次安倍政権となった2013年度以降は、父母や国民の願いに背を向けて、35人学級の前進を見送り、教職員定数改善計画も、1959年に開始されて以来、初の「純減」を強行してしまいました。

 今、学校では、いじめ・体罰の問題や「全国いっせい学力テスト」による競争主義教育によって、多くの子どもたちが苦しんでいる状況にあることが、現場の先生たちから指摘されています。さらに、子どもたちを守るべき先生たちも、長時間・過密労働によって追い詰められているのが教育現場の実態であるとされます。

 こうした現状を変えていくためには、本請願が求める、少人数学級や教職員の定数の増員が大きな力を発揮することは、本県をはじめ、独自に少人数学級を実施した自治体の例をみれば明らかだといえます。

 国に先駆けて少人数学級を実施した自治体では、学級規模が小さくなることで、不登校や生活指導の件数が減少し、学習に対する理解や意欲が高まり、先生を増やすことによって、先生が子どもたちと向き合う時間が増えて、学校が落ち着いてきたなど、少人数学級や教職員の定数増が有効であることが報告されております。

 しかし、ここで問題となるのは、少人数学級や教職員の定数増を自治体だけの責任、つまり自治体だけの財政負担で行おうとすれば、財政力の違いによる教育の自治体間格差を生むことにつながってしまうということです。

 教育の機会均等を保障するためには、国が責任をもって少人数学級の実現と教職員の定数増員を行うことが求められていることは明白です。

 国が構造改革路線を突き進み、地方にしわ寄せを押し付け、「定数崩し」など安上がりな政策を進めてきた結果、学校では、臨時・非常勤職員が増え続けているのが実態です。

 こうした非正規だのみの教育環境は、子どもたちにとっても、子どもたちに向き合う先生たちにとっても、改善が求められることは言うまでもありません。

 日本の「2010年度における、教育機関への公財政支出の対GDP比は3.6%と、OECD諸国の中では4年連続で最下位となっております。これを段階的にOECD平均の5.4%まで引き上げていけば、小・中高校の30人以下学級の実現はもちろん、就学前から大学まで教育の無償化を進めることが可能とされます。

 本県や本市をはじめとした全国の自治体の、独自の少人数学級実施の取り組みを、より実り多いものとするためには、地方に財政負担を押し付けることなく、国の責任による教育諸条件の整備を進めることが、切実に求められていることを申し上げるものです。

 また本請願を不採択とすることは、市長の「30人学級への挑戦」という意向に障害となることも強調して、反対討論を終わります。

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