土地開発公社から市が20億円で公有地を買い戻し‐太田市6月議会で反対討論

 太田市6月議会の最終日となった今日24日、市土地開発公社から公有地32筆、合計41,510.73㎡(12,579坪)を約20億円で買い戻す(坪あたり約15万9千円)ための議案が日本共産党以外の賛成によって可決・成立しました。

 私が行った反対討論の要旨は次のとおりです。

[反対討論]
議案第72号
財産の取得について
(土地開発公社からの公有地買い戻し)


 本案は、土地開発公社から公有地を買い戻そうとするものですが、その買い戻し価格、つまり取得価格は、土地開発公社に本市が取得依頼を出した当時の簿価である約20億円に、これまで本市が公社に行ってきた利子補給の総額4億9千万円ほどを加えた24億8,977万7,687円とされます。

時価で買い戻せば10億円以下

 実際に買い戻しに要する額は約20億円とされますが、現在の市場価格、つまり時価で買い戻すと10億円以下とされ、しかも買い戻した公有地は現在まで使う目的も定まらないままとされます。

 この公有地は元々は、本市が公社に取得依頼を出しながら、時代の変化で利用されないまま現在に至り、このままでは、400万円ほどとされる公社への利子補給を毎年続けるだけとされます。

公社が売ればよいだけ

 しかし、ここで考えなければならないのは、買い戻す公有地の一部は、現在、400万円ほどで貸し出し中であるということです。

 このまま土地開発公社が保有し続ければ、元々、市が取得依頼を出した用地であることから、公社に毎年約400万円の利子補給を続けることが必要になりますが、その用地の一部の貸付料も毎年約400万円とされるわけですから、時価、つまり現在の市場価格の2倍以上とされる20億円もの価格で買い戻さずとも、売却可能な用地から公社に売却させればよいだけということになります。

 実際にこれまで本市では、本市が所有する市営住宅の跡地を、土地開発公社に依頼して売却したこともあったわけですから、今回の公有地についても、同様に公社に売却するよう依頼を出せばよいだけであることを、あえて繰り返し申し上げるものです。

20億円もの繰上償還

 結局、唯一のメリットと言えるのは、今買い戻せば、将来にわたる公社への利子補給がなくなるというだけにすぎません。一理あるとは言えますが、結局は20億円をかけた借金の繰り上げ償還ということになります。

 一般の家庭でも、企業でも、そして自治体でも、借金は借金として、貯金は貯金として、つまり基金は基金として、キャッシュフロー(使える現金)はキャッシュフローとして、バランスをとりながら、資産の運用を図りながら、財政を執行するものであることは、言うまでもありません。

 いくら土地開発公社に対する本市の将来の利子補給の負担をなくすためといっても、20億円からの借金の繰り上げ償還となる公有地の買い戻しはやりすぎだということを申し上げなければなりません。

新たな借金のため?

 残る結論は、80億円から90億円といわれる、新たな工業団地の造成を公社に行わせるため、公社が新たな借金をしやすくするためだということになります。

 単年度で20億円もの、事実上の借金の繰り上げ償還をするのであれば、アベノミクスによって苦境にあえぐ市民や中小業者を本格的に応援するための施策にこそ、税金を最優先で投入することが、今の本市に切実に求められているということを申し上げて、反対討論を終わります。

[太田市] ブログ村キーワード
全労連・労働相談ホットライン
無料法律・生活相談会
渋沢ゆきこ市議のブログ

たなはしせつ子 党群馬くらし・雇用対策委員長のブログ
渋沢哲男 党 群馬3区 国政対策責任者のブログ
あなたもやってみませんか?
ブログ村 群馬情報 投票ボタンにほんブログ村 ランキング参加中です。ぜひクリックをお願いします!

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

役に立って、希望がもてて、楽しめるブログにしたいなぁ…と思いながら更新中です。

コメント

コメントする

目次