豪雪に対する緊急支援対策を求める要望書/2014年2月20日
2月20日に市長に提出した、2月の二度にわたる豪雪による太田市における被災者に対する緊急支援対策を求める要望書を掲載します。
●豪雪による太田市における被災者に対する緊急支援対策を求める要望書/2014年2月20日(PDF)
豪雪による太田市における被災者に
対する緊急支援対策を求める要望書
太田市長 清水聖義様
2014年2月20日
日本共産党太田市委員会
市議会議員 水野 正己
市議会議員 渋沢ゆきこ
2月7日から8日にかけて、そして14日、15日と2度にわたる豪雪による被災者に対する対応とご尽力に敬意を表します。
さて今回の豪雪では、市内における人的被害はこれまでのところ、命にかかわるものはないとされますが、家屋や付帯施設、農業・商工・飲食・サービス業関連施設などの損壊地域は広範囲におよび、18日までの県や市町村による調査では、農業被害だけで、ビニールハウスの倒壊による園芸施設と農作物で137億円、畜舎の倒壊による牛や豚、鶏などで1億4千万円、集荷不能による廃棄牛乳で1億円、計140億円とされています。
業者も含めると、日数の経過とともに被害額がさらに増加することは想像に難くありません。
市ではすでに17日、住宅と住宅敷地内にある生活に支障をきたす付帯施設の被害については、10万円以上の復旧工事に対して、補助率30%、補助上限15万円の緊急復旧補助を実施することを発表していますが、農業・商工・サービス業における被害に対する支援策については、調査結果と県の支援策を注視しながら検討するとされています。
農業用ビニール・ガラスハウスの倒壊では、農業共済に加入していても、補償はハウスで7割とされ、作物では全額が補償されるかは不明とされ、共済掛金の負担が重いことから、加入していない生産者も相当数に上ると考えられます。
ハウスの再建については、業者に依頼しても、撤去だけで数カ月も先になるとされ、再建にあたっては土の入れ替えも必要となり、ハウスの倒壊によって作物も出荷不能となり、生産者は当面の収入が閉ざされた現状にあります。
業者についても農家と同様で、施設の倒壊に伴う営業不能により、当面の収入が閉ざされ、再建のめどが立たない業者が生まれることもあり得ると考えられます。
以上の現状を踏まえ、市民生活と農家、業者の営業、働く労働者の生活、地域経済を守り、速やかに災害復旧と営業の再建を図るため、下記事項について早急に実施されるよう要望いたします。
記
1.被害状況の調査と情報提供
道路や公共施設・学校、公営住宅などの除雪状況や交通渋滞の状況、人的被害や住宅・施設の被害状況、民間も含めた公共交通の運行状況、ガソリンや灯油など燃料の供給・販売状況、商業施設における食料品などの販売状況を把握し、その情報を市民に速やかに提供すること。
2.道路・学校・公共施設
公営住宅の除雪など
(1)国・県に対して国道・県道・高速道路などの除雪体制に万全を期すよう、強く求めること。
(2)残雪のある市道についても、市民生活や営業に支障を生じないよう速やかに除雪を完了すること。
3.農業・商工・サービス業における
被害に対する支援策
(1)農作物、ハウス園芸作物の被害とともに、ビニールハウス・ガラスハウス、作業所、車庫、倉庫など農業関係施設の被害について、実態を早急に調査・把握し、速やかに施設の再建・生産の再開が可能となるよう、必要十分な支援策を実施すること。
(2)生乳の廃棄も含めて畜産物の被害とともに、畜舎など畜産関係施設の被害についても、実態を早急に調査・把握し、速やかに施設の再建・生産の再開が可能となるよう、必要十分な支援策を実施すること。
(3)生産を再開することが当面不可能な生産者、収入の道が閉ざされた生産者に対する、当面の生活費を直接補助によって支給すること。
(4)速やかな農畜産施設の再建と生産再開を図るため、農業共済への加入のいかんを問わず、生産者の負担を軽減するための再建補助金、貸付など、思いきった大胆な支援策を早急に確立すること。
(5)商工・サービス業者の被害についても、製品・商品とともに施設も含めて被害額を早急に調査・把握し、速やかに施設の再建・営業の再開が可能となるよう、必要十分な支援策を実施すること。
(6)商工・サービス業者についても、速やかな施設の再建と営業・生産の再開を図るため、業者の負担を軽減するための収入減収を補てんするための直接補助を含めた再建補助金、貸付など、思いきった大胆な支援策を早急に確立すること。
4.災害対策基本法に基づく激甚災害の指定
県とも連携のうえ、政府・関係機関に対して、早期の指定と適用の決定を強く求めること。
5.今後の対策
(1)要援護者対策
①高齢・障がい者世帯の安否確認に万全の体制を取ること。そのために必要な人的体制の整備と除雪対策・支援に万全の体制を取ること。
②救急医療体制に万全を期すこと。
③訪問看護や通所介護の利用者に対して、訪問・通所に支障が生じないよう、万全の体制を取ること。
(2)公営住宅について、障がい者、高齢者など除雪が困難な住民に配慮し、県とも連携し除雪の体制をとること。住宅団地内での共同除雪作業が可能となるよう住民自治会に働きかけること。
(3)今後の降雪に備えて、地域住民による共同除雪作業が円滑に行われるよう、行政区に対する除雪作業補助金を創設すること。
(4)学校や公共施設の除雪と安全を確保するための対策に万全を期すこと。通学路の除雪と安全に万全を期すこと。それらのために必要な予算を確保し配分すること。
(5)今後の降雪に備えて最大限の除雪体制をとること。そのために、本市と災害応援協定を締結している業者の力を十二分に発揮するため、除雪作業に必要な資機材・器具の提供・貸与、資金提供などを実施すること。あわせて、除雪専用車両だけではなく、ダンプカーなど大型車両・大型特殊車両の前部に取り付け可能な排雪板の確保を図り、災害応援協定を締結している業者の力をいかんなく発揮できる体制を取ること。上記の排雪板を活用して公用車による除雪の体制を取ること。
(6)危機管理体制を強化すること。とりわけ、降雪当初からの市内各所の調査・パトロールと、調査に基づく迅速な対応を図る体制の確保に万全を期すこと。
(7)個人所有の家屋や車庫など、農家・業者の営業用施設について、積雪による損壊・倒壊を防ぐため、無利子・低利子・無担保・無保証人の資金とあわせて、今回の豪雪被害にも対応できるよう改修・改築補助金を創設すること。
以上
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