太田市議会・廃棄物特委が静岡市、磐田市へ視察

  11月6日、7日の2日間、太田市議会・廃棄物処理施設・整備調査特別委員会の視察で静岡県静岡市、磐田市へ行ってきました。

静岡市では灰溶融炉の爆発事故

  初日に視察した静岡市では2004年7月9日、沼上清掃工場の灰溶融炉が爆発事故を起こしています。

  同年7月29日付の同市環境部廃棄物政策課、廃棄物処理課の報告書によると、灰溶融炉の出滓口付近に穴が開きスラグとメタルが流出、「冷却水と接触し水蒸気爆発を起こしたものと推定」とされてます。



(写真=2枚とも)静岡市西ケ谷清掃工場=静岡市ホームページより

ガス化溶融炉
管理委託費は10億5千万円

  その後、同市が西ケ谷清掃工場に建設したのはガス化溶融炉。10年に完成したそうです。

  静岡市西ケ谷清掃工場のガス化溶融炉は、2010年に完成し日量500トンの処理能力で建設・用地費は194億円とされます。

  定期点検も管理も新日鉄系の設計・施工業者の子会社に委託。使用する石灰やキレート材、燃料のコークスなど資材代、点検・管理委託費は合計で年10億5千万円とされます。

  やはりガス化溶融炉は、とにかく、やたらにカネがかかる施設です。

  とくに高いのが、定期点検と管理の委託費合計の年6億円。ガス化溶融炉は特殊技術を要するため、設計・施工業者でないと管理できず業者の言いなりにならざるをえないことになります。

  太田市がもつストーカー炉なら、西ケ谷のガス化溶融炉で必要な定期点検・管理委託費の合計年6億円も不要。石灰やキレート材、燃料のコークス代などの合計年3億円あまりも不要です。

  西ケ谷清掃工場のガス化溶融炉はシャフト炉と呼ばれる、溶鉱炉技術を転用したもの。このシャフト炉とは別の、燃料にコークスを使わない他のガス化溶融炉でも同様の問題があります。

  何よりガス化溶融炉やそこで生成されるスラグの安全性が未確立であることを忘れてはいけません。

磐田市
灰溶融炉がなければ
管理委託費はかからない

  2日目は磐田市クリーンセンターのストーカー炉と灰溶融炉を視察。2011年からの稼働で処理能力はストーカー炉が日量224トン、灰溶融炉は日量15トン、建設費は99億円(既存施設を建て替えたため用地費はゼロ)とされます。


(写真)磐田市クリーンセンター=磐田市ホームページより

  磐田市のゴミ焼却炉は安定稼働技術が確立されてるストーカー炉で、灰溶融炉も併設しています。

太田市
灰溶融炉は稼動停止

  太田市でもストーカー炉に灰溶融炉を併設していましたが、09年から灰溶融炉は稼働を停止中です。稼動停止の理由は燃料である灯油価格の高騰。当時の日本共産党市議団は灰溶融炉の建設に反対(他会派の議員も含めて8人が反対)しています。

  磐田市のストーカー炉と灰溶融炉も、施設管理は設計・施工した業者に薬品・電気・燃料費などその他の経費も含めて年2億5千万円ほどで10年間の包括運営委託をしています。

  初日に視察した静岡市西ケ谷のガス化溶融炉の処理能力は日量500トンで、建設費と用地費の合計が194億円。

  磐田市クリーンセンターのストーカー炉の処理能力が日量224トンで建設費が99億円ですから、静岡市のガス化溶融炉と処理能力や建設費を比べると、建設費は同程度といえます。

  しかし違いは管理委託費。静岡市のガス化溶融炉の管理委託費は年10億5千万円ですが、磐田市のストーカー炉と灰溶融炉の管理委託費は年2億5千万円です。

  灰溶融炉がなければ管理委託費2億5千万円のうち人件費とされる年4,800万円は不要となるはず。やはり溶融炉はカネのかかる施設といえます。

売れ残るスラグ

  磐田市の灰溶融炉では年間1,245トンのスラグを生成し、そのうち売却されるのは年間1,045トン(11年度実績)。やはりスラグはどんどん使える、売れるというわけではないようです。

安全・安心・低コストは
市直営のストーカー炉

  低コスト=市民負担増の抑制、安全性、安定稼働性などを考えると、やはりゴミ処理施設は、太田市でも長年に渡る市職員による管理・稼働実績のあるストーカー炉が一番で、灰溶融炉はやめたほうがよいという私の持論が確認できた視察でした。

[太田市] ブログ村キーワード 
全労連・労働相談ホットライン</s pan>
無料法律・生活相談会 
渋沢ゆきこ市議のブログ

渋沢哲男 党 群馬3区 国政対策責任者のブログ
あなたもやってみませんか?
ブログ村 群馬情報 投票ボタンにほんブログ村 ランキング参加中です。ぜひクリックをお願いします!

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

役に立って、希望がもてて、楽しめるブログにしたいなぁ…と思いながら更新中です。

コメント

コメントする

目次