太田市議会・市民経済委員会による足尾銅山跡調査が11月1日に実施されました。
同委員会の調査には、私も委員として参加しました。
調査で私は、以前の同委による調査で見つかった施設内の放射性物質(その後プルトニウムと判明)の容器の現状を(株)古河機械金属に質問。
同社によると、そのプルトニウムはどこの医療機関や鉱山でも使われていたX線(レントゲン)カメラに使用したものとされます。
古河側は、プルトニウム容器が見つかった施設は一昨年から昨年にかけて取り壊し、プルトニウム容器は足尾以外の場所に移動したと説明。
放射性物質の移動先
施設内の放射線量も
法律で公表できない
古河側によると移動先は所管の文科省やIAEA(国際原子力機関)には届け済みであるものの、法律によって移動先は公表できないとされます。
私は、プルトニウム容器が置かれていた施設を取り壊した跡地の放射線量や放射性物質の検査の有無と検査結果も質問しました。
古河側は、鉱山保安法によって検査結果は公表できないと説明。
法律の規定といわれると納得するしかありませんが、どうも釈然としません。
古河側は、プルトニウムを用いたX線(レントゲン)カメラは鉱石の内部を撮影するために使われていたと説明。
1973年の閉山後もプルトニウム容器が施設内に置かれていたのは、やはり鉱山保安法によって事業所外への移動が認められなかったためとされます。
古河側によると、プルトニウム容器の移動とその施設の解体は2005年頃から計画していて、所管の文科省やIAEA(国際原子力機関)の承認を得て行ったとされます。
1日の調査では、午前は1班(天狗沢堆積場を経由して有越沢堆積場)と2班(松木堆積場、深澤堆積場)に分かれて視察。私は1班でした。
午後は全員で簀子(すのこ)橋堆積場、中才浄水場、原堆積場、源五郎沢堆積場を視察しました。
天狗沢堆積場は通過しながら見ましたが、とにかく高くて急勾配。
緑化は成功していますが、大地震が起きて崩れる危険がないのかと心配になりました。
有越沢堆積場はあまりにも急勾配なため、一部に緑化が成功していない部分があります。
緑化を進め堆積場のある山の保水力を復元することが、堆積場の下を流れる渡良瀬川への土砂の流出を減少させることにつながります。
古河側も堆積場のある山の緑化について、「いろいろ考えながら努力をつくします」と説明していますが、市議会側も調査を継続することが大事だと感じました。
私は10月7日に行われた日本共産党の調査にも参加していますが、今回の二度の調査をつうじて感じたのは、やはり堆積場が大地震に耐えられるかということです。
とりわけ天狗沢と簀子橋の両堆積場は、とにかく万が一崩れたら、下は足尾の民家や旧役場、福祉施設などが立ち並ぶ住宅街で、その下は太田市も水源として取水する渡良瀬川です。
古河側によると、簀子橋堆積場は震度5弱の地震に耐えられる設計とされ、今年3月11日の東日本大震災では同堆積場は震度4を記録したものの、石一つ転がらなかったそうですが、震度5強以上の地震では大丈夫なのか。
やはり心配はつきません。
その対策が求められると考えるのは地元・足尾の人たちや共産党だけではないはずです。
10月7日に行われた日本共産党の調査の概要は、こちらからご覧いただきたいと思います。
●日本共産党が足尾を調査/2011年10月7日/水野正己のブログ
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