6月議会では、市がEV(電気自動車)購入補助に6,500万円を計上した補正予算に質疑。市民が今、切実に求めている物価高対策ではなく、EV車を買える一部の人への補助であり、スバルなど大企業である自動車メーカーを応援することになる補正予算の問題をただしました。
久保田俊議員も同様の質問を行いました。
EV補助に6,500万円 スバル車20万円 他メーカー車5万円
スバルと他メーカーで補助単価・台数が違う矛盾
市が6月議会に補正予算を提出したEV購入補助は、スバル車に1台20万円×300台+他社EV1台5万円×100台=6,500万円の補助という経済対策。現段階では、市は追加の物価高対策は行わず、経済対策を行うということになります。
しかし今求められているのは、有効な物価高対策で、それが有効な経済対策につながります。そう考えると、6月補正予算のEV補助6,500万円は大企業支援であり、スバル製EV補助が1台20万円×300台、他社製EV補助が1台5万円×100台ということも矛盾となります。
物価高で苦しんでいる中小企業はスバル関連も他社関連も同じ。しかも物価高で苦しんでいるのは自動車関連だけではありません。
トリクルダウンの効果はわずか
EVが売れれば下請・関連業者にも何らかの恩恵が滴り落ちるトリクルダウンの効果があるのは否定しません。しかし自民党政治によるこの間の大企業応援の経済政策によるトリクルダウンの効果がわずかでしかないということは、この間の実体経済が証明しています。
特定企業への利益誘導
県はEV購入補助として総額2億円、1台50万円の補助を実施しましたが、補助申請の開始初日に予算枠が埋まったとされます。
EV補助は、市が特定企業の特定車種に対して追加的な支援を行うことになり、それは市民全体の利益のためではなく、特定企業への利益誘導となります。
スバルは例えば新型EVトレイルシーカーは、年間3,000台の販売を想定しているとされますが、その販売目標の達成を行政が税金で後押しすることになり、それは自治体本来の役割ではありません。まして、子育て支援、高齢者福祉、防災対策、公共交通、道路の整備・維持管理など、多くの重要課題がある中で、限られた財源を特定車種の購入者へ重点的に税金を配分することには違和感がぬぐえません。
地元産業の振興そのものを否定するつもりはありません。しかし、産業振興策であっても公平性や透明性が確保されて、市民全体が納得できるものでなければなりません。今回のEV補助は、特定企業や特定商品の販売促進への税金投入となってしまいます。
大企業ではなく、市民の暮らし、中小企業への支援こそ
体力のある大企業に税金を注いでのトリクルダウンを期待するより、暮らしそのもの、体力のない中小企業、地域経済の担い手であり日本の企業の99%以上を占める経済の主役である中小企業支援と、その中小企業の売り上げの下支えとなる消費者の購買力を落とさない、つまり市民の家計をあたためる物価高対策こそが公平で有効な経済対策で、それが今切実に求められている有効な物価高対策となります。
中小企業支援を考えるなら、EV補助の予算6,500万円はEV生産にかかわらず広範な業種の中小業者への直接給付・補助としなければなりません。
国保税値上も行いながら
太田市は今年度、例えば国保税を例にあげれば、総額1.4億円、1世帯5,200円の国保税値上げを行います。財調(貯金)は今年度末で153億円。「社会保険加入者の払った税金も使うことになるので、貯金を使っての国保税値下げはできない」がこの間の前市長の議会答弁。前市長の答弁とは言っても、それがこの間の太田市の公式見解です。6月補正予算のEV購入補助6,500万円の財源は財調の取り崩しで、それは矛盾となります。
EV車を買わない、買えない人の税金も原資となっている財調を使ってEV車購入に補助をしながら、社会保険加入者の払った税金を使うことになるので、貯金を使っての国保税値下げはできないという理屈は成り立ちません。
OTACOでは市外でも買える問題が
去年の全市民への1人5千円のデジタル地域通貨OTACOの支給予算は11億円。毎年できないとしても広範な市民への物価高対策が求められます。例えば国保税の値上げ中止や値下げ、水道基本料の無料(となる給付)などが求められます。去年だけで今年はなくなった中小企業への賃上げ補助の継続も切実です。今年も継続する農家向けと同様の原料燃料高騰補助も重要です。これらこそEV補助より有効かつ公平で先行すべきです。
財調は90億円 借金も少ない
質問では、以上の問題を指摘したうえで、今年度末の財調(市の貯金)残高が90億円とされ、合併した21年前の49億円の2倍近いことも強調。物価高対策は、国の交付金頼みというわけにはいかず、今年度は物価高騰に加えてトランプ関税の影響もあり市税収入の減収は避けられず、交付税も不交付とはいえ、来年度以降は今年度の市税収入の減収によって、交付税交付となる可能性も高いことを指摘しました。
財政が一番苦しいのは今年度で来年度以降は交付税交付によって一定の財源確保も見込まれることも強調。そして市の一般会計の予算規模1,000億円に対して市の借金は、交付税の替りである臨時財政対策債を含めても600億円を切っていて、臨時財政対策債を除けば400億円を切っていることから、まだまだ借金も有効に使える健全財政にあることも理力説し、国の交付金だけに頼らず、市の一般財源、財調、借金も活用しての物価高対策が求められると迫りました。
そのうえで、結局は大企業支援となるEV補助を先行させながら、現段階で追加の中小業者向けの物価高対策を行なおうとしないのかをただしました。
市長答弁は、今年度は中小企業への波及効果として、県のEV補助が早々に終わったために市が財調を使ってEV補助を行うと、私の質問とはまるでかみ合わないものでした。しかしそれでも市長は、今後の追加の物価高対策は、今実施している企業訪問で中小企業の具体的な声を聞き取り、財調や借金の活用も含めて考えたいと答えました。


