子ども・子育て新システムの実施を許さない-保育所給食の外部搬入を行わない-請願2件を採択

  太田市議会本会議の最終日となった16日、政府が来年1月の通常国会に法案を提出し2013年度の本格実施を狙う「子ども・子育て新システム」を実施しないよう現行保育制度の堅持と拡充を求める請願と、保育所給食の外部搬入を行わず、保育所整備にたいする補助金や専任の調理師配置が可能な保育単価の維持・拡充を求める請願の2件が全会一致で採択されました。

10年12月請願・福祉保育労・保育園給食の外部搬入を行わない・補助金・保育単価の維持拡充を(PDF)
10年12月16日・請願・子ども・子育て新システムを実施しない=現行保育制度の堅持・拡充を(PDF)

親の経済力で保育に格差-保育の全面市場化-子ども・子育て新システム/2010年8月9日/水野正己のブログ

  採択された2件の請願は、本会議に先立ち9日の市議会教育福祉委員会で審議

  同委員会は日本共産党の私や市民の目線、新太田クラブ、政研クラブ、新生クラブ、公明クラブの各会派から選出された委員で構成されています。

保育所給食の外部搬入を行わず、保育所整備にたいする補助金や専任の調理師配置が可能な保育単価の維持・拡充を求める請願教福委――公明・新生クが反対

  同委員会では、まず保育所給食の外部搬入を行わず、保育所整備にたいする補助金や専任の調理師配置が可能な保育単価の維持・拡充を求める請願(全国福祉保育労同組合群馬支部提出。紹介議員は私)を審議。

採決では公明クラブと新生クラブが採択に反対(不同意)したものの、賛成多数で採択と決定しました。

新システムを実施しないよう現行保育制度の堅持と拡充を求める請願
教福委――新生クが反対


続いて審議された「子ども・子育て新システム」を実施しないよう現行保育制度の
堅持と拡充を求める請願(太田市保育園連絡協議会提出。紹介議員は上村信行議員)の採決でも新生クラブは反対(不同意)。公明クラブが賛成にまわり、やはり賛成多数で採択が決定しました。

保育所給食の外部搬入を行わず、保育所整備にたいする補助金や専任の調理師配置が可能な保育単価の維持・拡充を求める請願は、今年6月22日の児童福祉施設最低基準の改定によって、保育所での3歳以上の幼児の給食については保育所以外からの外部搬入が可能とされたことを受けて提出されたもの。

請願書では、保育園給食の外部搬入は「保育所保育指針」や「食育基本法」「保育所における食育に関する指針」などが指し示す方向と矛盾すると指摘。

関係者からは、「アレルギー児への細やかな対応ができなくなる」「調理する姿が子どもから見えなくなり、調理中のにおいも含めて五感で食を感じられなくなる」「保育士とともに給食内容や調理方法を検討するなど、給食を保育の一環として取り組むことが困難になる」などと指摘されていることを強調しています。

また、学校給食センターからの外部搬入を実施している自治体では、学校の長期休暇中の保育所給食に問題が出ていることにも言及。「(保育園給食の)外部搬入は決して一般化されるべきではありません」と結んで
います。

反対しても
委員会の結論には従う?

  採択が当然であるにも関わらず、同委員会で反対した公明クラブと新生クラブも、16日の本会議では採択に賛成しています。
委員会の結論には従うということでしょうか?

子ども・子育て新システムを実施しないよう現行保育制度の堅持と拡充を求める請願では、政府の「子ども・子育て新システム」検討会議での議論に言及。

新システムの問題として、①市町村が入所希望者の「要保育度」は認定するが、その後は保育所と保護者の直接契約にゆだね、保育料も保育所が徴収する。②児童福祉施設として決めている国の最低基準を緩和し、自治体ごとの基準に変えることも検討する。③行政が税金を使って保育そのものを住民に提供する「現物給付」の方式から、利用者(保護者)に補助金を出す「現金給付」に変えることなどを指摘しています。

そのうえで、現在は児童福祉法第24条によって、市町村が責任をもって、保育所への入所やその運営にあたっていると強調。
また保育料も保護者の収入に応じて決められており、施設の面積や職員数なども国の
最低基準によって一定の水準が保障されていることも指摘しています。

請願書では、新システムによる「新たな保育の仕組み」は、現在の国と市町村が実施責任をもつ公的保育制度を根幹から崩すと警鐘。

市町村が保育所には運営費を出さず、利用者に給付金を出す「現金給付」のもとでは、保育所は保育料を収入として運営のやりくりをしなければならず、人件費抑制などによる保育の質の低下が懸念されることも指摘しています。

また、子育ての情報や経験が蓄積されてきた保育所は、地域の子育てに必要不可欠な拠点であり、子育て家庭もその安定的継続を切望しているとして、その願いに応える最善の方策は、保育制度改変ではなく、現行保育制度のもとで保育予算を抜本的に増やし、保育所の拡充に計画的、本格的に取り組むことであると結んでいます。

変わりつつある
太田市議会


この請願も子どもの健やかな成長を保障するうえで、採択することは極めて当然
です。

  同委員会で反対した新生クラブも、16日の本会議では採択に賛成しています。
やはりこの請願でも、委員会の結論には従うということでしょうか?

この19年間の太田市議会の歴史のなかで、日本共産党の議員が紹介議員となった請願が採択されたのは今回がはじめてです。 

太田市議会も足取りは遅くとも、市民の切実な願いを受け止めるように変わりつつあるということでしょうか?

国に意見書

なお16日の本会議では、今回採択された2件の請願の趣旨と項目を盛り込み、意
見書2件を国に提出することを全会一致で可決しています。

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