太田市議会最終日17日の本会議で行った、2026年度の一般会計、国保会計、後期医療会計、下水道会計予算に対する反対討論(要旨)は次の通りです。
政府予算案
最初に申し上げなければならないのは、太田市の新年度予算に大きな影響をもたらす政府の新年度予算案の問題です。
13日に衆議院本会議で可決された2026年度政府予算案は、物価高騰と暮らしの悪化に背を向ける一方で、軍事費を9兆円と突出させ、大企業支援のバラマキ予算と米国トランプ政権の要求に応えた84兆円もの対米投資を拡大するという大軍拡、財界・大企業優先、対米屈服の予算です。
高市首相の外交姿勢も重大です。米国とイスラエルによるイランへの先制攻撃を一切批判せず、攻撃中止を求めることを拒否したことは、国連憲章・国際法違反という国際政治の重大問題でも、対米従属姿勢を示すものです。今後、米国から要求があっても、自衛隊派兵をはじめ、どんな形であっても米国の無法な戦争に協力することは断じて許されません。
太田市予算案
物価高、大軍拡・大増税から暮らしを守る市政へ
29億円のエアリスベース(2024年度)、2.6億円のスケボー場(2024年度)
90.4億円で桐生大学・再開発ビル補助(2026年度完成)
国保税は1.4億円値上げ
暮らしを守る予算がないとは言えない
一番街の再開発は凍結継続
Bの国補助は廃止
太田市の予算案ですが、一般会計では、まず、昨年4月、ほづみ市長が就任直後に指示した、南一番街に10億円余りを投入する計画だった再開発の凍結を新年度も堅持することを大いに評価したいと思います。さらに、10年前の10月から続いていた「親子ふれあい支援事業」という名の、あたかも子育て支援であるかのような名目を使って関東建設を優遇する、関東建設が経営するBの国への入場料補助2,000万円余りを新年度に廃止することも同様に評価するものです。
備前島野球場建設を一時停止
新年度は、備前島公園野球場の建設を一時停止することも評価するものではありますが、10億円以上はかかると言われる野球場建設は廃止すべきものであることを同時に指摘するものです。
テレワーク、窓口分身ロボット「オリヒメ」の積極的な活用・導入を
障がい者雇用の推進では、市でも民間でも留意点は共通ですが、予算委員会での質疑や答弁で示されたように、テレワークや窓口分身ロボット「オリヒメ」の積極的な活用・導入には大きな期待を表明するものです。
さらにこの分野の事業では、国の交付金も採択されていますが、その事業を着実に実行するための適材適所の人事配置が求められることも指摘するものです。
公共交通
公共交通では、今年度、新年度の2年間をかけて公共交通計画を策定し、策定前でも求められる公共交通施策の充実に取り組むとされていることにも大いに期待していることを表明するものです。
しかし年間6000万円をかけるおうかがい市バスの実際の利用者が400人にとどまっている現状は、税金の使い方が問われることを指摘しないわけにはいきません。路線バスも十分とは言えず、買い物をする高齢者のみを対象とするお買い物クラブでは施策を補いきれないこともあわせて指摘し、民間も含めた路線バスの充実とともに、業者支援とあわせてのタクシー券の早期交付を求めるものです。
市民税課税世帯の3歳未満児の保育料
10月から2分の1軽減
新年度に、国の無料化の対象外となっている市民税課税世帯の3歳未満児の保育料を10月から2分の1に軽減すること、市内在住保育士の子どもの保育料完全無料化も実施することは、子育て支援の前進です。しかし同時に求められるのは、この間、十分とは言えなかった子育てを終えた世帯、高齢者世帯への物価高対策の充実です。
新斎場のオープンで斎場使用補助を廃止
新斎場のオープンに伴い新年度は、斎場使用料補助が廃止されて、旧3町住民の中で負担増となる場合も生まれることを指摘するものです。
給付型奨学金 申請期間の延長や対象拡大を
給付型奨学金は2年目となりますが、申請期間の延長や給付対象の拡大が求められることは言うまでもありません。
大変なのは市民の暮らし
トランプ関税による財源不足が懸念されるもとでの新年度予算ですが、大変なのは市の財政だけではなく、市民の暮らしや農家や中小業者の経営です。
芸術学校予算 3,200万円削減
そして財政が大変な時こそ、人づくりにかける予算を削れないことは12月議会でも強く指摘しました。
しかし新年度は芸術学校の予算は前年度比3,200万円の削減です。たしかに当初の実施計画で予定していた芸術学校新田校としての新田庁舎の改修はできなくなり、今年度の改修設計委託費1,100万円は不要となりました。今年度300万円の楽器購入費も新年度は不要とされますが、楽器購入は毎年継続・更新しなければどこかで楽器不足となって芸術学校で学ぶ子どもたちに影響をもたらすことを指摘するものです。
表現と鑑賞の機会を削減
さらに重大なのは、芸術活動にとって車の両輪とされている表現と鑑賞の機会が削減されるということです。市は、群馬県全県で鑑賞している群馬交響楽団による移動音楽教室を、芸術学校の先生方によるおおたアカデミーオーケストラ(現シンフォニエッタおおた)によって補完して、他市町村より、より良い環境で子どもたちに音楽鑑賞を提供してきました。これが無くなるなら、新年度からは群馬交響楽団の移動音楽教室に戻すつもりなのかも問われます。
加えて重大なのは、子どもたちの発表会やコンサートがこれまでの年2回から1回に削減されることです。芸術活動は、まず、基礎を磨き、技術を身に付け、発表することが基本とされてきました。芸術学校の子どもたちにとって、1年間ただ授業を続け、最後に1回発表というのでは、途中での進捗状況の確認、保護者への発表、生徒のモチベーションを考えても決して良いとは思えません。発表会やコンサートの削減は、これまでの芸術学校で培って蓄積してきた良さを失うものとしか言えません。
65歳以上の講師全員を解雇
もう一つは65歳以上の講師全員を定年制によって事実上解雇するという問題です。この定年制は昨年3月の文化スポーツ振興財団の理事会で承認された講師規定によるものですが、そもそもこの規定はよく読むと、現在芸術学校に66歳以上の講師が配置されていることを担保しておらず、現状は講師規定違反の状態にあることも指摘しなければなりません。
しかもこの講師規定は、規定としての法的要件も満たしていません。66歳以上の講師を委嘱しながら、それを担保しない講師規定は廃止するしかないものであり、その規定を根拠とする65歳以上の講師の事実上の解雇は絶対に認められるものではありません。
【解説】
65歳以上の講師全員を事実上解雇した後の後任を探してはいるものの、いまだに見つかってはおらず、仮に講師陣が削減されたとしても、残った講師陣が指導を行うため、講師謝金は減らないことになります。予算委員会での課長答弁が示した、講師謝金の1,400万円減額は、実際には謝金の減額ではなく、ふれあい鑑賞会や発表会、コンサートの削減という、子どもたちの鑑賞や発表の機会を奪うことによるものです。さらに、今年度の当初予算との比較では、新年度の行事の削減は1,800万円になることから、予算委員会での課長答弁は極めて信憑性に乏しいものとなります。
約束違反
なにより大事なことは、芸術学校の子どもたちのため、市の芸術文化振興のためには、熟達した指導にたけた、若手講師を育成する力も併せ持った65歳以上の講師に新年度も委嘱することです。
なお、昨年の講師規定の策定前には、芸術学校の事務方が、合唱科の講師には、「規定はこの通りつくるが、年齢で切るのではなく、希望があれば継続してもらう」と説明していることからも、65歳以上全員を解雇するのは約束違反となります。そして驚くべきは、オーケストラ科の講師には、規定の策定前には、一切説明をしていなかったという重大な問題です。
保護者からは、ほづみ市長が、これまでの芸術学校をなくしてしまうという声が上がっています。私は、それは市長のせいではなく、事務方のせいだと、その都度説明してはいますが、市長の評価を下げてしまう問題であることを十分ご理解いただいたうえでの再考を求めるものです。
こうした課題・問題を考えるなら、31億円余りをかけてつくったエアリスベースやスケボー場、これまでの分とあわせて新年度までに90.4億円、市補助だけでも48.7億円を補助する、関東建設が新年度中に完成させるとされる再開発ビルへの補助とそのうちの一つのビルに入居する桐生大学への補助は、市民が求める施策を実施する財源がない理由にはできないということです。
公告・処分手続きオンライン化
なお新年度予算は、公告や処分手続きのオンライン化として、当事者に不利益な公告も含めて、これまでは掲示板など限られた場所での掲示に限っていたものを、インターネットでいつでもどこでも見られるようようにするなど、プライバシーへの配慮が後退する予算も前提としていることもあわせて指摘するものです。
国保会計
国保会計では、新たな子育て支援分の加算によって総額1.4億円、1世帯5,200円の値上げがされることを指摘するものです。
後期高齢医療会計
後期高齢者医療特別会計では、保険料を値上げした3年目となる新年度に、やはり新たに子育て支援分を加算することで、さらに負担増をもたらすことを指摘して、市として独自の負担軽減が求められることを強調するものです。
下水道事業会計
下水道事業会計では、下水道料金値上げの3年目となり、物価高で苦しむ市民に負担増を増やし続ける問題を指摘するものです。
以上、2026年度予算における、一般会計、国保会計、後期高齢者医療会計、下水道事業等会計の各予算における主要な問題点を指摘して反対討論を終わります。
