2024年度決算 一般会計・後期医療・下水道会計決算に反対討論

目次

物価高・大軍拡・大増税から暮らしと営業、農業を守る市政への転換を

 9月議会では、2024年度の太田市の一般会計、後期医療会計、下水道会計の決算に反対討論を行いました。

 国保会計は、22年度からの小学校入学前の子どもの均等割の2分の1軽減が継続されることから賛成。墓園会計は、24年度に墓所の造成工事を開始し、25年度に分譲が始まることから賛成しました。介護保険会計は、24年度から3年間の介護保険料の基準額を据え置き、基準額より低い第1段階から第3段階までの保険料を若干でも引き下げ、保険料を23年度までの12段階から15段階に増やし応能負担を強めることで、基準額より高い段階の人でも保険料が下がる人もいることから賛成しました。

 2024年度の市の一般会計、後期医療会計、下水道会計の決算の概要、討論(要旨)は次の通りです。

政府の責任

 2024年度は、自公政権によって、憲法違反の長射程ミサイルの開発・大量取得、米軍再編経費など8兆円もの過去最大の軍事費が平和と暮らしを脅かした年でした。

 雇用調整助成金の勘定から1,964億円も軍拡財源に回す一方で、被災地で苦しむ事業者への雇用調整助成金の日額上限はコロナ禍の半分程度に削減されました。なお軍事費は、民主党政権時に比べ3兆円の増額となりました。

 さらには、企業・団体献金を背景に、大企業への減税や補助金は大盤振る舞いの一方、物価高騰に苦しむ国民への支援や賃上げは全く不十分なものでした。

 自民党は、派閥ぐるみで国民を裏切る裏金づくりを何十年も行いながら、その真相究明にも後ろを向き、幕引きを図るばかりか、合法的に裏金を温存する法律まで強行したのが2024年度だったことを指摘しなければなりません。  政府が国民の願いに応えようとしないもとで、太田市として、市民の命と暮らしを守るための対策が切実に求められていたのが2024年度だったことを、申し上げるものです。

子育て支援、給付型奨学金、補聴器購入補助、非正規職員の賃上げ・ボーナスは正規と同じ4.5月に

 一般会計では、子育て支援を前進・継続させながら、学校給食の1人目からの完全無料化や18歳までの医療費無料化で県内市町村をけん引し、23年10月からは、県としての18歳までの医療費無料化まで実現させたことは、大いに評価するものです。

 さらに24年度からは、保育園などを利用する子どものオムツを給付し、市民税均等割課税以下の世帯が対象の中学校卒業時の8万円の支給も(2024年度まで)継続し、幼稚園、保育園でも、小学校の給食費を上限にした給食費補助を継続したことも、やはり大いに評価したいと思います。

 また24年度には、給付型奨学金の準備を始め、その枠も当初の40人から50人に拡大して25年度、今年度から実施したことも評価し、今後はその枠をさらに拡大することに期待を表明するものです。

 さらに24年度は、2022年10月から始まった高齢者への補聴器購入補助を継続し、非正規職員である会計年度任用職員の賃金は、23年の人事院勧告を正面から受け止めて、23年4月に遡って賃金を引き上げて、さらに24年度からは、正規職員同様に勤勉手当も支給することで、ボーナスは正規職員と同じ年4.5月としたことも、大いに評価したいと思います。

 今後は、手取り月額12.5万円にとどまっている事務補助の会計年度任用職員のさらなる賃上げを強く要望するものです。

公共交通

 24年度はおうかがい市バスの利用要件を大幅に緩和して、介護度や運転免許、クルマの有無、交通費補助を受けているかどうかにかかわらず、70歳以上の誰もが利用できるようになりました。

 おうかがい市バスは昨年8月に二度にわたり2台増やして9台となり、行政センター単位で新たに買い物支援としての「お買い物クラブ」も始まりました。しかしおうかがい市バスでは、予約が取れない人の人数は、バスが7台だった2023年度と変わらないまま推移しています。

 おうかがい市バスの充実によって、タクシー業者の経営を脅かし、タクシー不足が深刻化しているとはいえ、おうかがい市バスの予約が取れずタクシーでの通院となっている人が少なくない現状からも、タクシー業者の育成支援とあわせての、クルマに乗れない人へのタクシー券の交付が求められることを指摘するものです。

29億円のエアリスベース、2.6億円のスケートパーク、2.1億円で購入し1.1憶円で多文化共生センターに衣替えした大雄建設の物産館

 今後の課題を考えるなら、29億円をかけたエアリスベース、2.6億円をかけたスケートパーク、2.1億円で購入した大雄建設の物産館に言及しないわけにはいきません。

 とりわけエアリスベースでは、スロープと階段のつなぎ目で車椅子に子どもを乗せたお母さんが転倒しそうになる現場を竣工式で目撃したほどです。上り下りができない、手すりで囲まれた使えない階段など機能が疑われるムダなスペースもあります。しかもエレベータは入口から遠い奥にあり、車椅子の高齢のお母さんと訪れた人からは、「疲れた」という声も寄せられています。

 館内が黄色い保健センターは奥に行くほど黄色が濃くなり、トイレから出る時にはくらくらしたほどです。健診室も黄色いため、「黄疸がわからない」という医師からの批判もあります。

 こうした問題のある施設は早期に改修が求められますが、その改修費用は、物価高対策を充実できない理由にはならないことも強調するものです。

 こうしたハコモノや不要な財産取得に多額の税金を注ぎ込みながら、加速し続ける物価高から暮らしと営業、農業を守る財源がないとは言えません。

財調 合併した20年前の3.2倍、158億円

 太田市の財政調整基金、財調は2024年度末で合併した20年前の3.2倍、158億まで膨れ上がっています。来年3月末の見込みでも110億円とされることからも、今後の太田市には、税金の使い道を、暮らしと営業、農業を守ることを最優先に切り換えて、貯まり続けてきた市の貯金、財調を市民のために還元することが切実に求められることを改めて重ねて強く指摘するものです。

後期高齢医療会計

 後期高齢者医療特別会計では、24年度の保険料値上げを指摘しないわけにいきません。均等割は年49,100円に3,400円値上げ。所得割は10.07%に1.18%値上げ。限度額も年80万に14万円値上げ。24年度は激変緩和で所得割は9.36%、限度額は73万円とされ、均等割の2割•5割軽減対象を拡大するものの、3万人に総額3億円、1人1万円の負担増とされました。

 そして国は10月から、75歳以上の人のうち全国で310万人の人の医療費の自己負担を現行の1割から2割へと引き上げます。原則1割の75歳以上の人の医療費の自己負担を自公政権は、22年10月に、年収200万円以上の単身世帯と、年収320万円以上の複数世帯について2割に引き上げていました。

 ただ3年間に限り、外来受診の月額負担増を3,000円に抑える激変緩和措置を取っていました。明日10月からは、この激変緩和措置が廃止されることになります。

 太田市として独自の減免など負担軽減が求められることを強調するものです。

下水道事業等会計

 下水道事業等会計では、23年3月議会で可決された下水道料金値上げが、1年間の据え置き・猶予期間を終えて、24年度から物価高で苦しむ市民に負担増をもたらすことを指摘するものです。

国民健康保険会計

 国民健康保険特別会計は、2019年度からの1世帯平均8,000円、総額2.4億円の国保税の値上げは継続されていますが、22年度からの、小学校入学前の子どもの均等割の2分の1軽減が継続されることから、反対はしませんでした。

 しかし、拍車がかかり続ける物価高のもとでの国保加入者の負担軽減は待ったなしであり、財調も活用して国保税の引き下げが強く求められます。

介護保険会計

 介護保険特別会計は、24年度から3年間の介護保険料の基準額を据え置き、基準額より低い第1段階から第3段階までの保険料を若干ではあるものの引き下げ、保険料を今の12段階から15段階に増やして応能負担を強めることで、基準額より高い段階の人でも、保険料が下がる場合もあることを評価して反対はしませんでした。

 しかし介護保険料も国保税と同様に、拍車がかかり続ける物価高のもとで、負担軽減が待ち望まれていることは論を待ちません。

 基金が24年度末で9.6憶円となり、来年3月末見込みの基金が14億円とされることからも、増え続ける基金を活用しての保険料引き下げが求められます。

八王子山墓園会計

 八王子山墓園特別会計は、24年度から墓所の拡大造成工事が始まり、今年9月1日から造成分の分譲が始まったことを評価して、反対はしませんでした。

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