昨日5日(月)の市議会・教育福祉常任委員会の視察は、長崎市の「救急医療体制」と「市立市民病院の小児救急体制」でした。
太田市では、地域の中核病院である総合太田病院(民間)の移転新築にともなう市救急救命センターの設置(同病院に併設)と同病院への建設費補助の計画があり、小児救急医療体制の整備が大切な課題であることは、昨日のブログでも書きました。
昨日は、同市市民病院の冨増邦夫院長などから生のお話をうかがうことができました。 長崎市は推計人口44万3048人、18万6664世帯数(同市資料)とされますが、救急医療の体制は、一次救急(軽症)では、夜間を市立夜間急患センターが、休日昼間を在宅当番医が担い、二次救急(重症)では、11の病院群輪番制病院が担い、一次救急と二次救急の間(すき間)を7つの救急医療協力病院が埋め、三次救急(重篤)は長崎大学病院が担っているそうです。
なお市立夜間急患センターは1年365日開設しますが、診療時間と開設する診療科は、以下のとおりです。
【平日】
内科、外科、整形外科が20:00~24:00。小児科が20:00~翌日7:00。
【土曜・休日】
内科、小児科が20:00~翌日7:00。
【年末・年始】
(12月29日~1月3日)内科、小児科が10:00~18:00および20:00~翌日7:00。
※長崎市在宅当番医制度
【当番医】
内科3ヵ所、小児科1ヵ所、外科2ヵ所、婦人科1ヵ所、眼科1ヵ所、耳鼻科1ヵ所、その他医療機関6ヵ所(内科、外科、小児科のうち診療科目を1以上標榜する医療機関)、歯科2ヵ所
【診療時間】
内科、小児科、外科、その他医療が9:00~18:00。婦人科、眼科、耳鼻科が9:00~12:00 歯科が年末・年始(12月29日~1月3日)9:00~12:00
太田市もすでに土曜・平日夜間診療所を開設していますが、日曜日の開設は医師の確保ができず見送られています。
私は、小児科も含めて救急医療の体制を確立するために、どうやって医師を確保しているのかを聞きました。
冨増院長は、市内の医師が長崎大学の出身者ばかりなことから、同大学や市医師会から市内の医師にたいして、かなり強力な要請をしても
らえるなど協力が得られやすいこと、同市の夜間救急センター開設が1966年であることなど、長い歴史のなかで知恵をつくし試行錯誤を繰り返しながら現在の体制をつくりあげてきたことがあると話しました。
しかし同院長は、現在は研修医制度によって医師の確保にもかなり苦労するようになっていて、市内の医師がかなり疲弊している実態も話しました。 やはり必要な医療体制を確保するためには、研修医制度の見直しも含めて国が責任を果たすことが不可欠だと痛感しました。
もうひとつは、大学医学部や医師会の協力を得るために誠意をもって努力し続けることの大切さです。やはり医療を担うのはヒトですから。 太田市でも今日の冨増院長の話は重要な教訓として生かせると思います。
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