被災者支援の充実を 想定外を想定した災害対策・排水対策を 防災ラジオの導入を

太田市9月議会・中継のページ 災害対策 太田市議会の映像が見られます。

 7日の太田市議会本会議では、補正予算に対する質疑で、被災者支援の充実、想定外を想定した災害対策・排水対策、災害・防災・避難情報の発信に有効な防災ラジオの早期導入を要求しました。

 質疑では、排水改良対策としても効果的でありながら計画が停まっている東部幹線道路の建設推進も求められると強調。防災ラジオは、ポケベルの周波数帯280メガヘルツを使うことから、地下でも建物の中でも電波が届きやすいとされ、地上波デジタル放送やFM太郎の難視聴地域でも問題なく受信できることが期待できることも指摘しました。

議案質疑 2026年9月議会④
目次

床上・床下浸水340件、農業被害は17.4haで4,000万円

 質疑では、市が7月17日の豪雨について発表した8月24日付「第7報」を指摘。床上浸水が住家93件、非住家23件、床下浸水が224件と、床上・床下浸水被害が合計340件、事業所・店舗被害は29件、公共施設被害が11件、水没などによる車両被害が252台、倒木8カ所、土砂崩れ17カ所、道路・水路で150カ所、橋梁1カ所、通行止めが28カ所と、調査が進むほど被害規模が拡大していることを指摘しました。

 また「第7報」では、農業被害は223施設、作付け被害面積が17.4ha、被害額は4,000万円とされ、農業共済特別処置が適用とされるものの、共済で全て保障されるわけではなく、補償対象とならない農業被害もあることを強調しました。

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7年前の台風19号を受けての対策が効果を発揮 
対策未実施の地域で豪雨被害が

 質疑では、7月17日の豪雨では、7年前の台風19号を受けて一定の対策を行った場所では、被害がなかったか、あるいは被害が比較的少なかった場所もあるものの、今後の対策が必要とされながら、まだ対策がされていない場所、これまで冠水・浸水被害がなかった場所で大きな被害が発生した場所も少なくないと指摘。想定外を想定した災害対策・排水対策を求めました。

想定外を想定した対策を 
国や県に補助基準の拡大要求を

 さらに質疑では、災害対策・排水対策における国の補助金は、想定外を想定した対策事業は補助対象外となる可能性が高いと強調。被災者支援や災害対策基準の見直し、公費負担・補助基準・対象の見直し・拡大を、市も地方6団体とともに国に迫ることが大事と強調しました。

借金が減っている条件も生かして

 質疑では、災害対策や被災者支援の財源と市の財政についても言及。市の貯金である財政調整基金(財調)は確かに減っているものの、それでも今年度末見込みは49億円で、合併した21年前と同額ではあるもの、この間の決算剰余金や翌年度繰越、繰越明許の推移を考えて見込めば、今年度末の財調残高は60億円から70億円が見込まれると考えられると指摘しました。

 市の借金残高も2025年度末で540億円とされ、この3年間で22億円減少していると指摘。一般的に借金は、歳入つまり収入の2倍程度までは健全財政とされることも考えれば、財源不足が懸念されるからこそ、想定外を想定した被災者支援、災害対策、冠水対策を考えるなら、借金は今後、200億円、300億円を追加しても市の財政上は、心配することもなく、借金の有効活用も求めました。

 国が動かないうちは、市も動けないというわけにはいかないとして、市独自でも想定外を想定した対策を講じるよう求めました。

 都市政策部長は、国、県と協力して何が出来るのか検討していきたいと答えました。

 農政部長は、農政部の最重要課題として農業用水の確保のため、緊急度の高いものから順次復旧を行っていると答弁。災害対策では、引き続き藪塚地区での排水対策や遊水池の法面コンクリート化、石田川排水機場、上堀口排水機場の改修を進めているとして、今後の想定外の豪雨対策では、可能な限り国や県と協議していくと答えました。

 総務部長は、国庫補助に加えて、適正性も考えながら借金も積極的に活用したいと答えました。

東部幹線、鶴巻川、東新町調整池 急いで対策を

 質疑ではまた、豪雨対策としても有効で急がれる石原、台之郷の東部幹線道路建設、鶴巻川や東新町調整池のしゅんせつ、由良地区での排水対策などの推進も重ねて求めました。石原・台之郷地区でも、これまでの集中豪雨を超える浸水・冠水被害があったことを強調。雨水排水計画を進めるため東部幹線道路は、今回の豪雨被害を受けて、今後の対策のため急ぐべきで、東部幹線道路への懸念から陳情を出した地域住民に向き合い理解を得る取り組みを求めました。

 市長は、これまでの想定では飲みきれない豪雨があったことから、国や県と連携して対策に取り組むと答弁。東部幹線道路は市も必要と認識しており、建設を推進するため関係する地域との調整・協議を進めたいと答えました。また調整池や河川のしゅんせつ、道路の排水対策、業者の冠水対策についても、市単独でできないものは、国や県に求めながら、業者団体とも連携して今後の対策を考えたいと答えました。

農家や業者への復旧支援の充実を

 さらに質疑では、市民の住宅には、エアコン修繕・買い替えへの支援制度もできたものの、農家や業者など事業所のエアコン、建屋・事業所・店舗の復旧支援も必要として、商店リフォーム補助の準用・拡大を求めました。

 被災者支援では、農政部長は、認定農家への1万円の見舞金支給を予定していると答弁。産業環境部長は、業者に1万円の支給を予定していると答えましたが、復旧支援を充実するための商店リフォーム補助の準用・拡大には言及がありませんでした。都市政策部が被災した民家の改修にリフォーム補助が使えるよう、通常のリフォーム補助とは別枠で制度を追加したことからも、産業環境部の被災者支援に対する姿勢が問われます。

土木技師など専門職の増員を

 質疑ではまた、今後の災害対策を考えれば、道路部局だけでなく農政部局でも、土木技師など専門職の増員が必要と指摘。道路冠水対策として、冠水深度を表示する道路看板の増設、看板に表示される冠水深度の見直しも要求しました。 

 都市政策部長は、冠水注意看板等の設置では、豪雨災害を検証しながら、幹線道路を中心に設置個所の選定を進めていきたいと答弁。土木技師など専門職の増員では、都市政策部長も農政部長も、豪雨災害の被害が拡大傾向にあるとして、被害復旧に向けて各部署が取組んでいることからも、必要な場所に必要な人材が配置されるよう、土木技師など専門職の増員が必要と考えていると答えました。

防災ラジオ 
難視聴地域への情報発信に有効

 防災ラジオでは、市内には、FM太郎やNHK前橋、群馬テレビの難視聴地域も残されており、防災・警報・避難情報メールや市のLINEによる発信もあるものの、現実には、携帯は通話だけというデジタル弱者も少なくないと強調。2019年12月議会では、2019年の台風19号を受けた災害・防災対策として、防災ラジオの導入も求め、市長(当時)も導入を検討すると答弁したことも指摘しました。

 2019年12月議会では、板倉町が2019年度から防災ラジオの運用開始して好評だったこと、同町長も積極的に情報発信できたと群馬テレビで述べていたことも紹介。防災ラジオは電源を入れて待ち受け画面にしておけば、いつでも情報が音声で伝えられて、電気代も安いこと、同町民にも好評だったこと、2019年11月20日現在、全国で32市町が導入していたことも紹介しました。

ランニングコストは年600万円

 質疑では、板倉町での防災ラジオのイニシャルコストは、送信設備に1億円、受信機は1台2万円で4,500世帯に一部補助して有償貸与して1億円、合わせて2億円で導入できたことを紹介。同町の導入当初のランニングコストは月50万円で年間600万円だったことも紹介しました。

防災無線では暴風雨で聞こえにくい

 さらに質疑では、暴風雨の際は尾島で整備されている防災無線では、屋外スピーカーからの音声が聞こえないという人が多いことも指摘。防災ラジオは、防災無線よりイニシャルコストを抑えられるという板倉町の当時の担当者の話しを紹介しました。

 また防災ラジオはポケベルの周波数帯280メガヘルツを使うことから、地下でも建物の中でも電波が届きやすいとされ、地上波デジタル放送やFM太郎の難視聴地域でも確実な情報発信が期待できると強調し、早期導入を求めました。

 総務部長は、スマホなどに不慣れな人に一定の効果が期待できると答えたものの、先行導入した自治体での効果や課題を詳細に研究したいという答弁にとどまりました。

議案質疑 2026年9月議会④

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