来年4月から 新田第一保育園 藪塚本町幼稚園を民営化 太田市9月議会で一般質問

市立保育園はなくなり
市立幼稚園は4園から3園に

新田第一保育園

 9月議会の一般質問では、たった一つの市立保育園である新田第一保育園の来年4月からの民営化について質問。民営化で保育がよくなると本当に思っているのかと市長にただしました。

市長
公立は甘い、民間は切磋琢磨
公的責任を度外視した答弁

 市長は、「公立でやっているところは少し甘い…民間のほうが…(市の)職員には申し訳ないけど、民間は切磋琢磨しています…(公立)は(保育士の)新陳代謝がない…滞留型になってしまう。(すでに民営化された)浜町(保育園)や鶴生田(保育園)を見て判断してほしい」と答弁。この答弁は、法律に規定された保育に対する市町村の実施責任を度外視したもので、新田第一保育園で数年間保育士を採用してこなかった自らの責任を棚上げするものでしかありません。

10年前には「残します」と答えながら

 私は、公立より民間がいいなどと言うのは職員に失礼で、余りにもひどすぎると批判。10年前の12月議会での市立浜町保育園の民営化に対する日本共産党の井野文人市議(当時)の質問に対する市長答弁との矛盾を指摘しました。

 10年前の井野市議の質問に市長は、「新田第一保育園…これは残します…私どもが…やっていることがまずあって、初めてほかの園に対して我々が意見を言える…すべてを民間にしてしまうとそのことができない…今後とも1園は残して、私たちが現実に保育事業をやって、ほかの園とのいろいろな話し合いに臨める、そういう環境は残しておきたい」と答弁。

 その答弁と今回の民営化との矛盾を指摘した私に市長は、「今の民間の保育所はみんな非常に優れて、優秀でみんな頑張っている…」として、藪塚本町幼稚園も含め民営化で削減した人件費約2億円を就学援助制度の入学準備金増額や学校給食費の第2子半額に使うと答えました。

保育士の処遇改善にも逆行

 市長の考えは、全産業平均より10万円以上も低い保育士の賃金を、市がさらに引き下げることになるもので、処遇改善に逆行するものです。

藪塚本町幼稚園

1万円以上の保育料値上げも

 質問では、市立藪塚本町幼稚園の来年4月からの民営化についても質問。懸念されていた給食は、民営化後も現行どおり隣接する藪塚本町小学校の調理室から提供されることを明らかにしたうえで、民営化に伴う認定こども園化によって、保育料が1万円以上値上げされるケースを指摘しました。

 市長は、在園児の保育料は現行どおりとする経過措置を実施すると答弁。しかし来年4月からの新入園児には経過措置など負担増を回避する手立てはいっさい示されませんでした。

先生の大半がかわる可能性
藪塚本町幼稚園も新田第一保育園も
民営化までに先生を確保できるのか

 私は、新田第一保育園の保育士が正規10人、非正規11人、藪塚本町幼稚園の先生が正規4人、非正規6人である現状と、両園とも大半の保育士・先生がかわる可能性があり、子どもたちへの影響や雇用の継続が心配される問題を指摘。

 新年度の入園申し込みが幼稚園や認定こども園は9月から、保育園は10月から始まることから、民営化される来年4月までに両園とも必要な保育士や先生が確保できるのかをただしました。

公的責任の後退
民営化は一度凍結し再検証を

 福祉こども部長は、新たな運営者によって配置が決まると答弁。保育士や先生の雇用継続も正規雇用化も、来年4月までの必要な人員確保も確定しないままに新年度の入園募集がされる問題が浮き彫りになりました。

 公的責任の後退となる市立保育園・幼稚園の民営化は、少なくとも一度凍結し、その是非を再検証することが必要です。

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コメント

コメント一覧 (3件)

  • トラックバック、ありがとうございました
    はじめまして。花子と申します。
    このたびはブログ村トラコミュ「がんばれ!!幼稚園・保育園の先生」にトラックバックしてくださって、ありがとうございました。

    保育・幼児教育を軽く考える行政に怒りに震えたり、肩を落としたりすることも多いですが、こうして議員さんが保育・幼児教育を理解して、後押ししてくださることは心強く思います。

    これからもよろしくお願いします。

  • 保育・幼児教育サービス充実のため、ご一緒にがんばりましょう!
    民間でも公立でも、保育園でも幼稚園でも、そして認定子ども園でも、先生たちは本当にがんばっていますよね。

    大事なのは、子どもたちのためにがんばっている先生たちの汗と涙が報われ、もっともっと保育・幼児教育サービスを充実するための、国や県や市町村の施策の充実です。

    保育・幼児教育サービスの担い手は先生たちですから、なんといっても賃金や正規雇用化、労働時間・休日など処遇を改善することが一番ですよね。

    私立園の場合は、経営者側が不安なく先生たちの処遇を改善できるような公費負担の充実が欠かせないのは、言うまでもありません。

    もうひとつは、先生たちの処遇改善や施設整備を進めるうえでは、公立園での施設整備や処遇が私立園の指標となるということですよね。

    子どもたちと父母のために保育・幼児教育を充実する。そのためには、行政(市町村)が自ら保育園・幼稚園を直営で運営して、施設の整備・充実も先生たちの処遇改善も進めて、私立園にも同様の充実が可能となるような補助金を出すことが本当に大切で不可欠です。

    そうやって考えると、国は04年度から公立保育園に対する国補助金を交付税措置に変えてしまいました。

    これによって、公立保育園に対する国補助金は事実上削減され、以降公立保育園の民営化が加速する事態を生んでいます。

    幼稚園も同様で、公立幼稚園に対する国の財政負担は交付税措置です。

    私立幼稚園に対する国の財政負担は、子ども・子育て新制度の施行前は、私学助成として、国から都道府県を通じて(都道府県には国から交付税措置=事実上は公立保育園と同じで、明確で具体的な必要な補助金とはなりえませんが)私立幼稚園に補助金が交付されていました。

    ところが、子ども・子育て新制度の施行で、新制度に移行した私立幼稚園(新制度による私立認定子ども園も含めて)には、国2分の1、県4分の1、市町村4分の1の補助金が交付されます。

    これも公立幼稚園の民営化に拍車をかける元凶となっています。

    こうして考えると、旧制度の幼稚園は新制度に移行したほうが財政的にメリットがあるようにも思えます。

    でも新制度に移行した幼稚園は、子どもを4時間受け入れることに対する施設給付(国2分の1、県4分の1、市4分の1の補助金)しか公費負担がありません。

    ところが、旧制度で幼稚園が行っていた延長保育や一時預かり保育には、新制度の施設報酬は対象外で、それらの利用料は、新制度での幼稚園保育料とは別の負担となります。

    そして新制度に移行した幼稚園の保育料は、4時間しか預けないのに、8時間あるいは11時間預けている保育園や認定子ども園の保育料と同じで、市町村民税の額によって決まります。

    旧制度での幼稚園保育料より新制度での負担が増えることになってしまいます。

    太田市の藪塚本町幼稚園の民営化に伴う認定子ども園化によって、保育料が1万円以上も上がる子どもが生まれるのはこのためです。

    ですから、太田市でも全国でも、新制度に移行する幼稚園がさほど増えないのです。

    認定子ども園も、8時間あるいは11時間の保育園の子ども(2号、3号認定の子ども)と4時間の幼稚園の子ども(1号認定の子ども)という生活リズムの違う子どもが混在して過ごすことから、よほど園が配慮して施設を改修し、保育・幼児教育を別に行わないと弊害が出てしまいます。

    また認定子ども園では、先生は保育士と幼稚園教諭の両方の資格が必要とされることから、一方の資格しかもたない先生は、日中(といっても認定子ども園なので夜まで)は子どもたちに向き合い、遅くに帰宅してから他方の資格を取得するための勉強を強いられるという事態も生んでいます。

    公立幼稚園の民営化・認定子ども園化は(太田市の薮塚本町幼稚園もそうですが)、こうした先生に過大な負担を強いる事態を拡大することにもなってしまいます。

    いかに子ども・子育て新制度が罪深いものかが分かると思います。

    とはいえ、施行されてしまった以上は、こうした問題を解決するための大手術が必要です。

    ご一緒にがんばりましょう!

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