来年4月から国保県単位化
値上げではなく引き下げを
6月議会の一般質問では、国民健康保険(国保)税の引き下げと介護保険料の引き下げを求めました。
国保税では来年4月からの国保の県単位化にあたり、県経由ですでに国に報告した太田市の事業費納付金(県に納める負担金)や来年4月からの国保税の試算額の公表とともに引き下げを要求。かなり粘りましたが、健康医療部長も市長も、市として事業費納付金や国保税試算額の公表はせず、今年11月とされる県の公表を待つという答弁にとどまりました。
私は、現時点で公表しないというなら、引き下げの意向を示すべきと再度求めましたが、市長は明言を避けました。
国保税の負担はすでに限界
市では2012年度に国保税を1世帯平均で1万2,000円引き下げています。しかし国保税を課税する限度額を14年度から16年度まで3年連続で引き上げたため、金持ちとはいえない世帯でも所得が増えたわけでもないにも関わらず値上げとなっています(表①)。

表① 国保税 限度額引き上げの推移
私の試算では、事業所得600万円、50代の夫婦と子どもが大学生2人、高校生1人の5人家族のモデルケースでは、12年度に76万1,700円(所得に対する負担率12.70%)だった国保税が3年連続の限度額引き上げによって16年度には4万9,400円値上げの81万1,100円(同13.52%)となっています。
同じモデルケースでは、社会保険である協会けんぽの群馬県の健康保険料の本人負担率は12年度で5.75%、16年度でも5.76%。国保税の負担率が社会保険の2倍を超えることが分かります(表②)。

表② 国保税 限度額引き上げによる影響・負担割合
また事業所得450万円、50代の夫婦と子どもが大学生1人、高校生1人の4人家族の試算では、限度額引き上げによる値上げはないものの、国保税は64万4,800円(同14.33%)となり、所得の少ない世帯ほど負担が重くなる国保税の実態が分かります。
私は、国保税の負担が限界に達していることを浮き彫りにするこうした試算による実態も示し、「せめて値上げはしないという意思表示を」と重ねて迫りました。
市長は国保税の負担が限界に達していることを認め、自身が県知事なら値上げをせずに引き下げも考えると答弁。「それなら引き下げを」「せめて値上げはしないという意思表示を」と重ねて迫りましたが、市長は、これから考えるという消極的な答弁に終始しました。
介護保険料
値上げで基金は8,700万円増
介護保険料の引き下げでは、保険料を15年度に基準額で年額7,200円値上げし6万3千円としてから基金を増やしていることを明らかにしました。
基金は値上げ前の14年度末の約5億2,600万円が15年度末に約6億1,300万円に、16年度末では約6億円と見込まれます。
私はこの間の法改悪による介護給付抑制も指摘し、保険料の値上げ後に基金を9千万円近く増やしているなら保険料は引き下げ可能と迫りました。
しかし市長の答弁は、今後の基金や介護給付費の推移を見ながら(引き下げるかどうかを)決めたいという消極的なものにとどまりました。
国保税も介護保険料も続けて粘り強く引き下げを求めていきます。どちらも負担は限界で、しかも介護保険料の場合は基金が増えているのですから。